怪しい薬。 ページ29
『てつや…ありがとう…』
て「もう、いいよ…Aは少し危機感が足りてないね。男はみんな狼なんだから…」
てつやはAにこっそりと耳元で、後でまた消毒してあげるねと囁いた。
Aはみるみるうちに顔が赤くなって頭から煙が出そうだった。
『えっと//魔法薬の授業これで2回目だけど今日こそはスネイプ先生と仲良くならなきゃね！前回は話せなかったし…』
て「そうだね…」
少し薄暗い教室の中で、前の机に置かれた大きな鉄製の鍋の中の光った液体だけが目立っている。
そこからのぼる蒸気の甘ったるいようなハッカのような匂いが部屋の中に充満してクラクラする。
て「うえ、吐きそう…」
てつやが匂いに酔っていると、後ろからスネイプ先生が現れた。
ス「その程度で滅入っていては、身が持たんぞMr.小柳津？」
て「ふぁ！？すみましぇん！！」
スネイプは溜め息をついて、前の机に向かった。
『ふふ…てつや、良かったね、話しかけてもらえて』
て「あの低っっくい声生で聞けたーー！しびれるぅうう」
黒いマントローブを翻し、こちらに向き直るとゆっくりと話し始めるスネイプ教授。
ス「さて、今日は授業で完璧な魔法薬を作った者に、この鍋の中にある液体をやろう。この中にある液体が何か解るものはいるかね？」
『こんな魔法薬あったっけかな…？甘い匂いのする…』
誰も手を挙げる者はいなかった。あのハーマイオニーですら挙げていない。きっと教科書にも載っていないのかもしれない。
ス「この薬を小さじ一杯ほど飲めば、たちまち口が上手くなる、相手の機嫌を取りたい時に役立つことだろう。効果は１時間程だ、理解したかね？では教科書を開きたまえ」
こんな薬原作にも映画にも登場したことは無い筈…
だとしたら、私達が来て何かが変わったと言うこと。これはきっと、私達が獲得しなければいけないもの。他の誰かの手に渡ってしまえば、悪い方向に進むかもしれない。
『てつや…これってもしかしたら…』
「うん…なんとなく俺にも解る。
頑張って完璧なの作らないとね」
ーーーー最初の歪み。
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作者名：MAI(._.) | 作成日時：2019年7月7日 21時
