楽しみと不安と。 ページ17
『ねえ、てつや何をそんなに怒ってるの？？』
て「知らない！Aはもう笑っちゃだめ！」
『ええ！！理不尽！』
あのあと、スリザリン寮を案内してもらっている時に散々ドラコの赤い顔を見たし、ドラコの舞を見る目は狼そのものだった。絶対に二人きりにしてはならないそんな気がする。
て「A…手…」
なーに？と素直に手を差し出すAに、怒っていた感情も引っ込んでしまう。
て「ほら冷たい！温めてあげよう！」
『わぁ、あったかーい♪』
て(そんな無邪気な笑顔、俺だけのものにしたいなんて、言えるわけもなく…。絶対にライバル多いもんなー…はぁ。)
『明日は、変身術と、魔法薬学の授業があるね！どっちも楽しみー』
て「スネイプ先生とお近づきにならなきゃね！」
『そうだね、スネイプ先生の運命を変えるのが、一番大変なことかも知れない…』
階段を寮へ向かって上がっていると、ハーマイオニーが上の階から、ちょっと怒ったような声色で叫んでいるのが目に入った。
ハー「もう、二人ともどこ行ってたのよ！早く！ハリーが試合の課題のヒントを見つけたの！」
『今行くよ、ハーマイオニー！』
て「最初の課題って確かドラゴンから卵を奪うやつだよね？」
『うん、ここは見守って良さそうね…』
もちろん、ハリーは第一の課題を難無くやり遂げた。ファイアボルトに乗って颯爽とドラゴンの合間を潜り抜け見事に金の卵を勝ち取った。その姿を間近で見ることが出来た私達は、幸せ者以外の何者でもない。
それから程なくして、クリスマスダンスパーティーが開かれることが決まり皆浮かれ始めた。
て「ダンスパーティーは楽しみだけどさ、俺ちょっとだけ怖くなってきた、あの課題が近づくにつれて…。だってほんとうに俺達、やってのけられるかな？」
『てつや…私達が弱気になっちゃダメ、大好きな皆の為にも…ね？』
自分が発したその言葉が思ったよりも自分の心に突き刺さった。不安を紛らわすには今を楽しむ他ない。
て(ダンスパーティー…俺はここに賭ける！！カッコイイとこ見せて、Aに振り向いてもらうんだ！明日は一番にパートナーに誘うぞ！！)
ーーーーサンタさん、願わくば…
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作者名：MAI(._.) | 作成日時：2019年7月7日 21時
