Leaving Grapefruits

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　 Aちゃん。

…Aちゃん、かぁ。



　


あーやばい、なんか名前だけで言いようのないムズムズしたもんが。


A。うん、名前の通りの子。



　
　


＿＿太平洋みたいに、心が広いんだなぁって


＿＿恥ずかしいですけど



　
　


「わぁぁぁぁぁぁぁ…っ」

ま「洋平がおかしくなった笑」




　

ごんっと額を机にぶつけると、近くにいたまーくんが怪訝そうに見てくる。



　
　
　


ま「どうしたの」

「…、やっぱなんでもない」

さ「ためといて言わんのかい」



　
　


テンションが上がってるせいで言いたくなったが、息を吸った段階でハッと我にかえる。





だめだめ、“soak”は俺の秘密基地。


美味しいスイーツもドリンクも、可愛らしい店員さんも、俺だけの秘密。




　
　

さ「そういえば最近ココアハマっててさー」

「(おいおいこいつ実は諸々の事情知った上でのさっきのセリフか…？)」

ひ「冷えるもんね」

さ「色んな喫茶店のココア巡りしようと思ってるんだけど誰か一緒に行かね？」

ま「面白そうだけど、サトヤスと違って飲めば飲んだだけ太るからなぁ」

さ「まーくんは？」

ま「いいよ、行く」

「俺も行く」

「「え」」


　



机を叩いて、思わず立ち上がる。



そんな俺にヒロとサトヤスが驚きの声を上げ、まーくんは長い前髪の隙間から横目で俺を見た。



　


ひ「どーしたの洋平、そんな意気込んで」

「俺も飲みてぇなぁって！ココア！
　
(たとえあの喫茶店に辿り着いたとしても俺がガードを固めておけば大丈夫、…いや？そもそもなんのガードを固めるんだ？俺は何様のつもりでこんなことを考えてるんだ…？…、…、)」









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