医者と人外と[d!] (ページ8)

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想像を絶するような痛みに俺は声すら挙げられなかった

其の様子を見てか兵士や騎士は一気に畳み掛け俺を殺す千載一隅のチャンス迄持って行った。

…が、神使が倒れたと言う上官と思わしき人物の報告により兵士や騎士は皆撤退していった。

中には殺してから行こうと言う者も居たが放っておけば時期に死ぬから良いだろうと言う上官の爪の甘さに俺は何とか兵士や騎士が全て居なくなった後、残った力で翼をはためかせて森へと逃げ込んだ。

人間が来ないであろう程森の奥深くまで入って行き、俺は羽を休めた。

回復する迄には時間を要するだろうが致し方無い、と思いながら一眠りしようと思い目を瞑った瞬間遠くから草を手で掻き分けているのかガサガサと聞こえた。

俺に遭遇する事無く通り過ぎてくれ、と思うが段々と近付いてくる音に俺を追ってきた兵士か騎士だろうか、と思い始めた。

「(真逆、逃げても尚追い掛けて来るとはな……)」

最後がこんな森か、と覚悟を決めると等々目の前にローブのフードを深く被った人間が現れたでは無いか。

一目でわかった。

此奴は俺を殺す気が無いと言う事に。

だが今此処で此奴が国に戻り俺を発見したと報告して兵士や騎士が来る事は有る為、油断はしない。

人間は俺を見て相当驚いている様子だったが急に近付いてきては治癒をすると言い出した。

俺はとても驚いた。

人間が俺の様な人外と仲良くしたり助ける行為が場合によっては死罪だと言う事を知っていたからだ。

其れに今怪我を追った俺に包帯を巻き付けている人間の見た目からして死罪待った無しの事を理解してやっているだろう。

御人好しなのか、其れ共恩恵を貰おうとしている疚しい人間なのか少し計り興味が湧いた。

人間が手当を終えたのか後退りして頭を下げていた。

其処で俺は人間に何故助けたんだ、と聞けば其の人間の返答にまたしても俺は興味が湧いた。

種族など関係なく助けるただの人間の医者な訳有るかと内心思いながらも人間の姿になれば人間はとても驚いている様子で何だが面白かった。

ほんの少しの興味で俺が人型になれば目の前の人間は驚いていたが名前を言えば尚驚きショルダーバッグがズレてローブも軽く脱げてしまった。

其のローブが軽く脱げるとフードも外れムーンストーンやオパールの様な白色の短い髪にホープダイヤモンドの様なグレーがかった青色の瞳。

美しい姿に少しばかり驚いたがそんな事より其の人間のリアクションに俺はつい笑ってしまった。