医者と人外と[d!] (ページ24)

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『…あんまり、役に立ちそうな情報は入ってこなかったね…』

時は進み夕暮れ時。

国の中心部から宿は軽く遠かった為、仕方なく一度宿に戻る事にした。

宿に戻ってからは情報をまとめて見たものの、役に立ちそうな情報は片手で数えられる程度。

其れでもグルッペンは上々だ、と言う様に口角をにっ、と上げたかと思えば口を開いては行き成り言い出した。

「よし、今日の夜にでも行くゾ。」

『……え、？』

ちょっと待って、今何て…？、と聞くとグルッペンはまたしても今日の夜にでも行くと言った。

……流石に冗談だと思いたい所だ。

『…あの、まず情報そんなに集まってないですし…幾ら何でも、無謀じゃない…？』

「有力な情報を見る限り、猶予は後4日だろう？なら今すぐにでも助けて此の国から出て行けば五体満足で終わるだろう。」

嫌、確かに安全に行きたい、と言う考えではあるが何も強行突破で五体満足とは流石に…と、内心思っている間にもグルッペンは勝手に私の身支度を始めた_と、言ってもほぼ荷物は無いため其処まで仕舞ったり等をする物は無いが、_。

「よし、其れじゃあ行くゾ。」

『…あ、そう言えば作戦は……？』

「作戦か？其れなら…決まっているが言っても御前は拒否するだろうからな、俺に合わせてくれ。」

グルッペンに合せる、と言う事は容易な事では無いと言う事は私自身、何と無く分かっているしとんでもない事をすると言う事も予想付いている。

…正直、今直ぐにでもちゃんとした作戦を練るために話し合いたいがグルッペン行動力のせいで有無を言わさず、と言った形で結局言う隙間もなく、私はグルッペンに手を引っ張られながらグルッペンの旧友、基仲間のオーク様が封印された山付近へ連れて行かれた。

…かと、思えば何故私は1人で神使の下僕が守る結界近くに隠れて様子を見ていた。

グルッペンに此処で待っていろ、と言われ待機しているが一向に何も起こらない。

まさか、私が行動しないと行けないのか…？…嫌、グルッペンは合わせてくれと私に言ってきたのだ、流石にそんな事は無い…と、思いたい。

内心不安でいっぱいになっていると段々と空模様が悪い時に鳴るような雷音が鳴っているではないか。

『…グルッペン、何してるの……』

早くして欲しい、と思った刹那、神使の下僕目掛けて黒い一線が凄い速さで落下してきたかと思えば轟音が鳴り響いた。

雷だ、グルッペンの。