医者と人外と[d!] (ページ22)

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何故此の国の中心部に行く方が良いとグルッペンは言ったのか私は気になり、聞いてみるとどうやら中心部には沢山の人間が居り、中には有益な情報を持っている人物が居るかもしれない、とグルッペンが予測を立てたらしい。

確かに国の中心部に行くとなれば其れなりに情報を持った裕福な人間やそうでない人間、下手したら街を見廻っている騎士や兵士が居るかもしれない。

…矢張り流石上位の人外と言うべきか、かなり頭が回るらしい。

まぁ、云何百年？云何千年？も生きていれば知識は豊富だろうし其れに頭も…嫌、私は少し上位の人外を舐め過ぎではないか…？と、思いながら私はグルッペンの意見にうん、そうしよう、と言った。

「よし！そうとなれば、早く行くゾ！」

私の手を取って引っ張って行くグルッペンに私は少し計り驚き、ただ私はグルッペンの向かう所へ連れて行かれるが儘だった。

「矢張り…中心部ともなると出店や人の数がかなり増えたな、」

『…グルッペ、一応だけど…離れないでよ、』

中心部迄来ると出店の数が食べ物系からアクセサリー、服、古本など様々な物の出店が増え其れに伴い人も沢山居る。

多分、何時もは其処まで居ないのだろうが、流石神使が来ただけ有る、人の集まり様はとても凄まじい。

グルッペンも少しは此の人の波に酔っているのか辺りをキョロキョロと見回しては、私の手をグイッと引っ張った。

『…っちょ、グルッペ…？、』

「A！あっちから、美味そうな匂いがするゾ！」

…前言撤回、グルッペンはどうやら余り人に酔っていないようだ。

『グルッペ、今は出店の食べ物とか食べてる場合じゃ無いんだけど…』

「そんな事、分かってるただ、別に少しぐらい何かを食べながら情報を集めたって…って、おい！」

グルッペンの言葉に耳を貸しては駄目だ、と思いながら私は説得しようとするグルッペンの手を振り払い、私は真逆の方向に歩いた。

「其処の御嬢さん、ちょいと待たれよ、」

『…、？』

あぁ、最悪だ…グルッペンのせいで、変なお婆さんに絡まれてしまったでは無いか。

「御嬢さん…アンタ、此の先危険な事がいっぱい待っていると私の此の水晶が物語っておる…どうじゃ？良かったら、此のペンダントでも買っていかぬか？」

そう言い、お婆さんは私に見せてきたペンダントはピンク色の宝石と思わしき石をトランプのダイヤの様な形にカットされ、硝子瓶に入れられたペンダントだった。