医者と人外と[d!] (ページ21)

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グルッペンの其の言葉に私は流石だな…と、内心思った。

「そんな事よりA、早く身支度をしてまず情報収集に早く行くゾ！」

急かすグルッペンに私は軽く髪を手櫛で整えた後、グルッペンの頭に手を伸ばしてグルッペンが身に着けているローブのフードを整えた。

『う、わぁ………』

宿から出れば、明らかに昨日と違う空気感や風景に私はつい顔を顰めてしまった。
グルッペンはそんな私を気にも止めず、何故かキラキラとしたような眼差しで辺りをキョロキョロと見回している。

『…グルッペ、何キョロキョロしてるの』

「あぁ、嫌すまない…色んな方向から甘味の匂いがしてな、」

此の上位の人外は食いしん坊なのか、と内心何故…？と、思ったがまぁ人外と言っても皆一様に生きていると言う事には変わり無い為、好きなものが有れば嫌いなものも有るだろう、と言う事で気にしない事にした。

『…あ、甘味とか食べないし、寄り道は…しないからね、』

「な、何でだ…！」

『嫌…目的忘れたって事は無い…よね？』

忘れてる訳無いだろう！と、言うグルッペンに私はじゃあ何でそんなお祭り空気の国に目をキラキラさせてるんだ…と、思ったが言わないでおこう。

『…さて、と…まずは情報収集ですね、』

「情報収集と言ったって、どうするんだ？」

『そりゃあ…此の国の人に聞いたりとか…まぁ、運が良ければ昨日会ったソージャからきめ細かく情報が聞けるだろうけど…』

「…あの小僧か、」

ソージャの名前を出した瞬間グルッペンは少し眉を顰めていた。

何で…嫌、まぁグルッペンからしたらソージャは幾ら国を飛び回っている騎士だから嫌って当然か。

そう私は自己解決させ、首を横に振った。

『…まぁ、ソージャは多忙だろうし、多分…嫌、ほぼ無理だろうね、』

「じゃあ必然的に残るのは此の国の人間に聞くことじゃあ無いか。」

何故か呆れた様子で言うグルッペンに呆れる意味が分からないんだけど…と、内心思いながら頷いた。

『でもまぁ…いきなり理由の分からない男女…？二人が…しかも、片方はローブのフードを深く被ってるんだから、適当な事を言ってあしらわれるかもしれないから…基本盗み聞きか其れこそ…あの城周辺を少し彷徨いて情報を盗み聞くしかない…かも、』

私の言葉にグルッペンは何処か考えている様子だった。

「…なら、此の国の中心部に行った方が良いだろうな。」