医者と人外と[d!] (ページ3)

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『…え、嫌……え、』

真逆、私が助けたのは上位の人外…しかもドラゴンとは思いもしなかった。

…嫌、喋れる所と聞いていた話と似ている所から薄々上位のドラゴンでは無いかと予測はしていたが真逆こうも当たってしまうなど、誰が予測出来るだろうか。

人外を助ける、と言う行為は国外追放をされても可笑しく無いと言うのに、上位のドラゴンを助けたと他者に知られれば私の首が切断待った無しだろう…が、どうせ私がする此の後の行動も考えればまぁ…致し方無いだろう。

驚く私に黒いドラゴンは面白そうに笑った。

「真逆、俺が上位のドラゴンだと知って驚いたのか？」

『…ただの人間が、吃驚しないとでも…？』

私がそう言うと黒いドラゴンはふむ…と何処か考えて居る素振りを取った後、そう言えばと口を開いた。

「名前を言っていなかったな、俺はグルッペン、グルッペン・フューラーだ。」

私は、此の黒いドラゴンは自身をグルッペン・フューラーと言った事に驚きの余りショルダーバックが肩からずり落ちるとローブも少しずり落ちてしまった。

『…え、今……ぐ、グルッペン…、？』

片手で口元を覆ってはもう片方の手でグルッペンと名乗った黒いドラゴンを震えながら指さした。

私の顔が見えたことに少し驚いている様子だったがそんな事より私のリアクションが面白かったのか、グルッペンと名乗るドラゴンはふは、と笑い出した

「中々に面白いリアクションをするな、御前は。」

『……嫌嫌嫌、流石に…冗談、ですよね…？』

グルッペン・フューラー、此の名は何処の国に行っても聞いたし私が幼い頃から危険な存在であるドラゴンだと言われていたからよく知っている。

幼少の頃に聞いた話や国で聞いた話とグルッペンと名乗るドラゴンは1人だけで有る事からほぼ…否、十二分一致している為、嘘と言うことは有り得ないだろう。

「所でだが、此方が名乗ったと言うのに其方が名乗らないと言うのは失礼何じゃあ無いのか？」

何処か威圧を掛けているのか首を傾げるグルッペンに私は半ば冷静に名前を言った。

『…A、です、』

「…む？姓はどうした。」

真逆、無いのか？と聞いてきたグルッペンに私は目線を落とした。

其れが答えだと察したのか否か分からないがグルッペンは1つ咳払いをしてはすまないな、と謝った。

『…其れより、何故傷だらけで倒れていたんですか？』

私がそう問えばグルッペンは何処か悔しそうな声色で言った。