医者と人外と[d!] (ページ20)

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遠くから声がする。

何処か懐かしい……嫌、此の声は……

「A、起きろ。」

『…る、っぺぇ……？？』

朝なのか昼になっているのか何方かは分からないが明らかに太陽は上がり切っており、久し振りにちゃんとした寝床で寝た私はまだベッドで寝ていたかった。

だが、其れはグルッペンによって阻止され何とか寝ぼけた頭を少しずつ回転させ始めた。

『なん、ですか……、私…まだ、寝てたいんですけど…』

「そんな事より、早く外を見てくれ。」

外…？と、疑問に思いながらバルコニーに出れば国の雰囲気に私は驚き一瞬で眠気が去っていった。

『……え、』

国が一夜にしてお祭りムードになっていたのだ。

一夜の間に何が…？其れに…何でこんなお祭りムード何だ…？と、疑問に思いながら屋台と元気に走り回っている少年少女をよく見て見ると見覚えの有るマーク。

「…どうやら、神使が予定よりかなり早く此処に到着してしまったらしい、」

『…うん、何と無く察しは付いた…けど、』

まさかこうも早く来るとは思っていなかった。

私は内心オーク様をどうしたら良いのか分からなくなった。

もう神使が来ているのだ、そんな中助けられると私は一切思えないし、正直助けた時に私がグルッペンと一緒に居ることもバレたら即刻捕まって打首か逃げ切ったとしても世界中で指名手配の何方かだ。

……此処で、私は死ぬわけにはいかない。

まだ、やるべき事が残っている…筈だからだ。

『…グルッペン、まず先に情報収集してみよう、話は其れからにした方が、』

良いんじゃ無いか、と振り向けばグルッペンは何時の間にか身支度を終えていた。

其れに私が目を白黒させて驚いていると、グルッペンは私の視線に気付いたのか何だ？と、首を傾げた。

「…まさか、情報収集をしないで助けに行くと思ってたのか？」

『…まぁ、オーク様とグルッペンは旧友…？って感じがするから…ね、早く助け出したいんじゃ無いかな、って…』

「あぁ、まぁ確かに一刻も早く助け出したい所…だが、焦って助け出したら色々トラブルが起こってしまうだろう？」

確かにグルッペンの言う事は正しい…が、少しだけ引っ掛かる事が有った。

『…何でそんなに冷静でいられるの…？』

旧友の危機だと言うのに、冷静だが何処か堂々としているグルッペンに私はポロリと疑問が溢れてしまった。

「…幾ら焦ったって危機的状況だと言う事には変わり無いからな、其れに絶対助けられると言う自身が俺には有るからな。」