医者と人外と[d!] (ページ19)

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私の言葉にグルッペンは耳をピン、と伸ばしては何でだ…！？と、驚いた様子で聞いてきたが、忘れて貰っては困る。

今グルッペンと私が一緒に行動している理由はグルッペンが私に助けられた恩を返すためだ、と言う事を。

何も言わずにただグルッペンの頭を撫でる私にグルッペンは思い出したのか、またしてもぶすくれてしまった。

「…別に、恩返しが終わっても一緒に居たって、良いだろう……」

『…本当に私の首が無くなるから、まぁ…嫌、かな…、』

嫌まぁ正直、もう今の状況を見られた時点で首が無くなるのは大体確定しているが少し計り抵抗して国や村、街を転々とするかひっそりと隠居生活を送ると言うのが生存する為の二択。

正直何方とも其の内終わりが来るとは思うが、何も抵抗しないよりかはマシ…だろう。

其れに、今回の件で私の罪は更に重くなるのは確定_まぁ、正直死罪がほぼ確定している時点で更に罪が重くなるか否かは知らないが、_している為本当は今直ぐにでも他の国か村か街に行きたい所だが、グルッペンの居る今そんな事をすれば惨たらしくグルッペンに殺されてしまう。

其れを回避すべく私は仕方無くグルッペンに軽い協力をするのだが、

『…でもまぁ、人間最後に落ち着くのは死だからね…正直、別にどっちでも良いかな、見たいなのは有る…かも……？』

私がそう言えばグルッペンは本当か！？と、ぱぁぁ、っと擬音が付きそうな程に嬉しそうにしていた。

…少し悔しいけど、可愛いな、と思いながら私はまたグルッペンの頭を撫でた。

『…あ、でもグルッペン、オーク様を助けたら私、オーク様と初対面だから、もしかしたら殺されない……？』

「む？…彼奴は一応義理堅い奴だからな、A自身が平気な奴だって事が分かれば問題無いと思うゾ。」

『……私、自分自身で平気な奴って言わないけど…』

仮に言った所で信じる訳が無いだろう。

人間に傷付けられたかと思えば人間に助けられる_まぁ、グルッペンと言う人外も居るが_など、人外側からしたら信用など出来る要素はほぼ無いに等しいだろうし、幾らグルッペンが義理の堅い人外だとしても人間が傷付けた事には変わり無い為、傷付けていない私が助けたとしても人外としての恥やら何やらで私を殺すだろう。

「まぁ、俺が一緒に居ればきっと大丈夫だ。」

今の可愛い見た目でそんな格好良い言葉を言われても余り響かないなぁ…と、私は内心思いながらそっか、とだけ返した。