医者と人外と[d!] (ページ14)

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有れから何とか宿の部屋を取れた私は1度休もう、と椅子に座っては色々と考え込んでいた。

神使の下僕が派遣されたと言う事は、神使が来るのは恐らく早くて1週間、遅くて一ヶ月だが…上位のオークが結界に囚われているんだ、きっと1週間の内には来てしまうだろう。

仮に、1週間以内にグルッペンと上位オークを会わせるとなるときっとグルッペンは上位オークを助ける為に結界を破壊するだろう。

…困ったな、と思いながら私はグルッペンの入る方を見ると何とグルッペンは私のローブを着たままベッドで眠っていた。

………自分勝手な上位のドラゴンで有るグルッペン・フューラーに振り回され掛けているのでは…？と、私は内心思ったがまぁ…もうほぼ振り回されていると言っても過言では無い為、何とも言えない気持ちになった。

正直、此の宿の部屋を取るのには悩んだ。

何故かって、其れは此の部屋が少し高い部屋だからだ。

空いている所が此処しか無く、他の宿を探すかと悩んでいるとグルッペンが悩んでいる私に気付いたのかもう歩くには疲れたゾ、と疲れたように肩を落として呆れている様子で言ってきたのだ。

そんな時にグルッペンの美貌がまたしても見えたのか宿の管理者は男だと言うのにも関わらず行き成り胸元を抑えたかと思えば値引きするから是非泊まっていってくれと言ってきたのだ。

私が其れでも渋っているとグルッペンは何だ？真逆、好意を無駄にするのか？と煽って来た為、致し方無く此の宿の部屋を取った。

流石少し高い部屋と言う事も有り、設備はまぁまぁしっかりとしており、しかも何と此の部屋はバルコニー付きだった。

其れに、今座っている椅子もとてもふかふかでグルッペンの寝ているベッドも見ただけでふかふかだと言う事が分かるようなベッドだ。

スイートルームと言う部屋なのでは無いか…？と、正直私は思ったがまぁ…もう、気にしても意味はないだろうと思い、私は部屋について考えるのを止めた。

…だが、其れにしたって

『……ローブ、脱いで寝て欲しいんだけど………』

今からまた少し此の国を探索しようと思っていた私はきっとグルッペンはもう宿屋で休息を取るであろうと思い、グルッペンからローブを返して貰おうと思っているのだ。

だが、生憎其のグルッペンはスヤスヤと眠っておりローブを引っ剥がそうにもグルッペンの重みで引っ剥がそうにも引っ剥がせない。