医者と人外と[d!] (ページ13)

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「戦況ならかなり変わったぞ、神使の下僕様達が来てからな、」

『…じゃあ、私が来るのには少し遅かった、って感じ何だ……』

正直、国の復興状況と神使の下僕が来ていると知った時点で予測出来た事だが…まぁ今回はグルッペンが私に恩返しする、と言う事も有り暫く_と言っても1週間以上滞在するつもりは無いが_滞在することには変わり無いだろう。

悶々と考えて居るとソージャが何処か気不味そうな感じで聞いてきた。

「所で…御前の隣に居るローブ着た此奴、誰だ？」

「…む？俺か？俺なら…」

『ソージャ御免。紹介遅れた、此人は私の…弟子、見たいな……？』

「！？御前に弟子…！！？！」

有り得ない、と言うような表情と声色で言ってくるソージャに私は内心酷いな…と思っているとグルッペンは心底有り得ないと言うような、何処か引いている様な顔で私を見ていた。

仕方無いだろう…此処でグルッペン・フューラーだと言えば大騒ぎになって私は即刻捕まって打首に掛けられてしまうんだから。

「…まぁ、御前に弟子が出来たって言うのは良いとして、名前は？何て言うんだ。」

『えっ、と…』

しまった、名前は考えていなかった。

口籠って居るとグルッペンは呆れたように言った。

「全く…弟子の名前を忘れるとは飛んだ師匠だな、…ソージャと言ったか？俺の名前はグルッペだ。」

「グルッペ……？…何だか絵本に出てきそうな名前をしているな。」

グルッペンの偽名に私は一瞬目を見開いたがどうやらソージャはグルッペンの旧名を知らないらしく、私はほっと胸を撫で下ろした。

『ソージャ、悪いけど…私とグルッペは宿探しで急いでるから、』

「あぁ、そうだったのか？なら済まなかったな、其れじゃまた何時か。」

私はグルッペンの手を取り急いで人気の少ない所へ歩いて行った。

『グルッペン様…！何であんな危険な事してんの…！？』

「む？危険な事とは…？」

『グルッペって、旧名でしたよね…？其れなのに…何で態々知られてるかも知れないって言うのに旧名を名乗ったんですか…！』

「！A、旧名を知っているのか？…現名を知っている時点で驚きだったが…旧名も知っているとは……驚きだな、」

驚いてる場合か…！と一瞬怒りそうになったが相手はあくまでも上位の_しかもドラゴンの_人外だ。

そんな事をすれば何時殺されるか…寸での所で私は言葉を飲み込み、其の代わり溜息を付いた。