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「ねえ、A。」
「んう?」
「俺ね、Aのことが好きだよ。」
「・・・え。」
「ふふふっ。気づかなかった?」
「ご、ごめん。全く気づかなかった。」
裕太くんから “ 好き ” と言う言葉を聞いて、心臓が止まるかと思った。
だって裕太くんは昔から私のことを、妹のように可愛がってくれてたし。
でも、そっか……。
好きでもない、ただの女友だちには、こんな高価なアクセサリーなんてあげないよね。
考えればわかることなのに、どうして気付かなかったんだろう。
「俺さ、仕事で海外にいることも多くてなかなか一緒にいられないけれど、Aのことが好きだよ。」
「え、と……ありがとう……。」
俯きながら “ ありがとう ” と一言呟くのが精一杯だった。
「A。俺の彼女になって欲しい。すぐにとは言わないから、ゆっくり考えてくれる?」
「うん……。」
自分でもびっくりするくらい、小さな声しか出なかった。
◇
正直言って、翌朝裕太くんと顔を合わすのが気まずいなんて思っていたけど。
「おはよう、A〜。」
裕太くんはいつもと何も変わらずゆるい裕太くんのままで、拍子抜けしながらもどこかほっとした。
「おはよう。」
「んふふっ。A、寝癖凄いよ?」
「え、本当?やだっ、どこ?」
慌ててあちこち頭を触ると、裕太くんの手が伸びてきて、私の頭にそっと触れた。
「ふふっ、ここだよ、ここ。ぴょーんってなってるー。」
「あ……ありがとう……。」
裕太くんはスキンシップも多いし距離感も近くて、どうしようもなく顔が熱くなってしまう。
人の気も知らないで朝からこんなにどきどきさせるなんて、裕太くんはズルい。
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にかみつば(プロフ) - ぺこさん» コメントありがとうございます。キスマイのマネージャーさんやまわりに関西弁の方が多く、横尾さんもよく関西弁をつかってますよ(^-^)私は可愛いなぁと思いながらテレビで観てます! (2021年5月28日 3時) (レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - たまに横尾さんが関西弁になってるのが多々あるので気になります。 (2021年5月28日 1時) (レス) id: 9baa58e5fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にかみつば | 作成日時:2021年5月25日 23時