Part of me

break up ページ14

❄︎Side Shota❄︎



結局、病院を出て【今から帰る】

そう連絡したのはいつもより随分遅い時間だった。





この目に映る全てがモノクロのようで
どこからか聞こえてくる音楽も
街の喧騒さえも真っ暗な何かに
包み込まれて消えてしまいそうだった。





気がついたら俺は最寄りの商店街を歩いてて。

気がついたら涙が止まらなくて。

気がついたら腕の中には蓮がいて。





病院からの帰り道不思議と涙は出なかった。

それなのに2人の顔を見た瞬間
何かが音を立てて崩れ落ちて涙が溢れた。




腕の中にある温もりを今はただ手放したくなくて
力いっぱい抱き締めれば

"しょぴ、くるしいよぉ〜"

なんて返ってくる。愛おしいその声。

何も聞かずに寄り添ってくれる大切な人。




やっぱり言えないよ...




だから俺は最初で最後の大きな嘘をついた。





3人で手を繋いで帰る帰り道。




あと何度君の手をとれるだろう。

あと何度君をこうして抱きしめられるだろう。

あと何度君と笑い合えるだろう。

あと何度..........




涼「翔太...？大丈夫？」

翔「ん？」

涼「なんかぼーっとしてたから。」

翔「......俺、幸せだなぁって。」

涼「突然どうしたの(笑)」

翔「涼太と蓮が居て今まで毎日幸せだったなって。」

涼「今まで、って(笑)これからも、でしょ？」

翔「....ふはっ、そうだよな！......なぁ、涼太？」

涼「んー？？」

翔「いつもありがとう。」

涼「ん？やっぱり翔太なんか変だよ？(笑)
いつもそんなこと言わないくせに(笑)」

翔「そ？たまにはいいじゃん！」

涼「じゃあ、俺も。翔太好きだよ。」

蓮「れんもれんもー！！！！
れんもしょぴすきっ！！！！
りょうくんもしょぴもだぁいすきっ！」





あぁ、もうこれ以上はだめ。




これ以上幸せを感じれば
本当に離れられなくなるから、




だから、



















この幸せとサヨナラしよう。

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