AUサンズのCP小説集 (ページ10)

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センパイが、コーヒーの味がしないと言った。

風邪で味覚が無くなる事はある。

でもコーヒーほどの味の強さ、刺激物は風味ぐらいはするはずだ。

逆にしない方がおかしい。

本当の本当に風邪なら良いのだが……もし……もしセンパイが……“アレ”になってしまったのなら……。

オレは覚悟しなければならない。

自分が、“ケーキ”である事を、そしてセンパイに食べられる事を。

この世界には“フォーク”と“ケーキ”と言う二つの種族がいる。

味覚を失い、ケーキと呼ばれる種族でしか味を感じられないフォーク。

フォークにとってのご馳走であり、捕食される立場のケーキ。

この二つの種族が普通の者と混じって暮らしているのがこの世界。

フォークは主に後天性で、ケーキを食べる事でしか味を感じられないため、フォークによるケーキ殺害事件が多発している。

逆にケーキは先天性で、フォークに襲われたときに自覚しそのまま喰われる事がほとんどだ。

俺は自分がケーキである事をしっかり自覚している。だからこそ自分の役割も分かっている。

センパイがフォークなら、俺を『美味しそう』だと思うはずだ。

だから今日、センパイの料理に少しだけ、自分の血を混ぜてみることにした。

本当の風邪だったら申し訳ないけど、仕方のないことだと割り切る事にする。

もしもセンパイがフォークなら味覚を感じるはずだ。

その場合、ケーキを闇市等で買ってこないといけなくなるが、正直、したくない。

自分の好きな人には自分だけを食べてほしいと言うのは……わがままだとは分かっているけれど……。

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今更ですがケーキバース。今回の設定は私なりで、『フォークはケーキの一部分が入っていればその料理を美味しいと感じる』『だがそれも徐々に物足りなくなる』『料理に入るケーキの量が多ければ多いほど美味しいと感じる』『でも一番はそのままか、直接食べること』といった感じにしています。

クロス君の気持ち重いような気が……。

ちなみにクロス君がケーキだと気付いたのはXガスターとXキャラが教えたから。