五条先生怖いから優しい歌姫先生の所に行った【呪術廻戦】

師匠家入センセイ ページ8

「……失礼します」


ガラガラと小さく音を立ててドアが開いた後、聞き覚えのある小さな声が聞こえてきた。

ドアを開けたのは橘だった。


「…」

「…そんなに帰ってくるのが嫌だったのか？」


少し沈黙した後、家入が問いかけた。


「………まぁ……ハイ。」

「そっか…そっちでは上手くいってる？」

「あ、はい。今日も朝から同期とずっと喋ってました……先生も優しいですし。反転術式を学ぶにはちょっと不便ですけど…」

「そりゃそうだよ」


口籠る橘。家入は飲んでいたコーヒーカップを置くと橘の前に来た。


「ま…おかえりでいいのかな」

「やめてくださいほんとに(ಠ_ಠ)」

「事実じゃん」

「忘れてもらってもいいですか」


「本当に嫌いだね、五条(アイツ)のこと」

「私怒られるのは嫌いなんです……特にああいう人には」

「分からない気もしないな……でもまさかそれだけで京都まで逃げるとは予想外だったな」

「ちょ、ちょっと…！聞かれてたらどうするんですか、"ここの"生徒に…！！」


家入は橘の反応を見てニヤニヤと笑った。


「もう皆集まってるよ。一緒に行く？」

「いえ」


案の定そう答えた橘。家入はいつまでも不服そうな橘の顔を横目に保健室を後にした。

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