五条先生怖いから優しい歌姫先生の所に行った【呪術廻戦】

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「東京から来た橘です。よろしくお願いします」


今の二年が一年だった頃。七月の半ばに橘は転校してきた。

ここに突然転校してくるのは何らかの事情があって来るのは当たり前で、それについては誰も聞こうとはしなかった。

けれど唯一引っかかる事があり、それは誰もが疑問に思った。


「東京校から来たんでしょ？」

「え"」


聞いたのは真依だった。


「図星ね。そんなに東京校(あそこ)が嫌だったのかしら」

「……何で分かったの…」

「だって、東京から来たんでしょう？」

「出身は東京ですけど…」

「出身地が東京なのにわざわざ京都校(ここ)まで来る必要は無かったはずよ？」

「…」

「ねぇ、真希は高専でどんな感じだった？もしかしてもう死んじゃってたりして…」

「いや死んでないと思いますけど……怖い印象はありました。ちょっと頼りずらかったです…」

「ふーん。そぅ…」


その後教室内は沈黙で包まれた。

そしてもごもごと口を動かしてばかりの橘が声を出した。


「私は……会いたくない人がいるんで……東京校(あそこ)では嫌でも会うんで…」

「…」


再び沈黙になる教室。

気まずい環境がやや苦手な三輪は、誰だろう…と考えながら冷や汗を流した。

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