□替え時 ページ8
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大晦日に響く１番デカい音といえば、除夜の鐘。108回だっけ。
しかし、今日この楽屋に響いた１番デカい音は……
和也「うわああああああ！！」
流星「うわぁ！ ビックリした！！」
和也「待って待って待って、これ誰のスマホ？」
大橋くんはホーム画面を確認して青ざめる。
和也「A…」
『ちょっと待ってよ』
高橋の髪をセットしていた手を止めて大橋くんに駆け寄る。
和也「水没させてしもた…」
『いやいやいや』
大吾「ヤバぁ、」
大橋くんの手を伝ってポタポタと垂れる水。いや、お茶。
水かお茶かはどうでもいいんだよ。
急いでタオルを持ってきて拭き取る。
『えっ… 高橋どうしたら良いの、これ』
恭平「えーと、なんか細い棒みたいなんある？」
丈一郎「あ、安全ピンあんで」
高橋は丈くんから安全ピンを受け取ると私のスマホも奪った。
気づけばみんな手を止めていて、救出作戦開始みたいな空気になる。
恭平「……ん。CIMカードは外したから、取り敢えず乾かしてみて…しかないな」
『先生、うちの子は助かるんですかっ！』
恭平「無理やな多分」
『希望は持たせろよ、医者だろー！』
手のひらに乗っかった鉄の板を見る。
あ、保護フィルムの内側にも水が……
と思ったら高橋に保護フィルムも剥がされた。
…これで終わりを悟らないほど機械音痴ではない。
謙杜「３年前くらいから使っとったやん。ええんちゃう買い替えても」
流星「どうせならiPhoneに替えたら？」
『…うん』
デビュー前からずっと使ってきたAndroidちゃん。
自然と愛着がわいていたことには、いなくなってから気づくものなのだ…
丈一郎「そうなったら大橋が買ったれよ」
和也「うん買う。買うし、オプション詰めまくってええよ」
繰り返し謝り続ける大橋くん。
先輩に頭下げられ続けて、いたたまれない気持ちにならない後輩はいないだろう。
…けれどメンバーっていう関係を利用して、少しだけイジワルをする。
『…じゃあ、最新のiPhoneで許す』
和也「わかった。いつ空いてる？」
『えーっと……予定とか全部スマホの中だから分からない、、』
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作者名：悠希 | 作成日時：2023年12月27日 7時
