なにわ “生まれ” の “女子” やねん！【Ⅲ】 (ページ46)

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丈一郎side

大吾「誰か、Aの近くにおる？」

恭平「俺おるよ」

さっきまでヘアアイロンを使ってたやつが居るから危ないとは思うけど、恭平の声がした方にAを探して暗闇の中を動き回る。

丈一郎「痛っ！ぶつかったん、誰やこれ！」

和也「俺ぇ。丈くん危ないで」

手をついている大橋の頭を軽く殴ると「イテッ」と声がしてホンマに大橋なんが分かった。

だんだん目が慣れてきて、より一層目を凝らすと、謙杜がスマホのライトを光らせる。

駿佑「Aちゃん、少し落ち着く？」

『…ん、だいじょーぶ』

みっちーもスマホを光らせて、Aの前にひざまずいた。

言葉とは裏腹に、硬い表情でしっかり恭平の服を掴んでいる。

珍しく、年下組に助けられてる。

…意外やろ？

小さい頃に間違えて暗闇に閉じ込められてから、全く無理らしいねん。

暗所恐怖症…とまでは行かんかも知れへんな。

入所してすぐは舞台裏の薄明かりも泣くし駄目やったけど、少しずつ慣れてきて、最近は急な暗闇以外は平気なんやって。

暗くなるって分かってて、覚悟を決めれば。

寝る時はちっちゃいライトつけっぱなしやけど。

それはやっぱ、落ち着かんと寝れんしな。

…初めてのコンサートで、龍太くんに引っ付いてたの思い出すわ。

大吾「なかなか戻れへんな」

大吾は蛍光灯を一瞥すると、キョロキョロ周りを見て、物にぶつからないように注意しながらAに近づく。

和也「丈くん重い〜」

丈一郎「なんでお前はずっと俺の近くにおんねん！！」

和也「えー、丈くん怖いかなーって」

こんだけ丈橋やってるのに、うるさくならないAはやっぱり変。

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