なにわ “生まれ” の “女子” やねん！【Ⅲ】 (ページ40)

今日:26 hit、昨日:85 hit、合計:31,464 hit

▽ ページ40

✴

やってみたら割とイケるもので、すぐにコースを変えた。

２,３度滑ったとき、隣のコースでちょうど翔さんが滑っているのが見えた。

…あれだけ滑れたら、さぞ楽しいだろうな。

私も今はケッコー楽しいけど。

『…うおっ！？』

「うわわわ、ごめんなさい！！」

『大丈夫ですか？』

急に腰に腕が回って、焦って振り返ると、背の低い女の子が私に抱きついていた。

聞けば、初心者コースじゃなくてもイケるだろうと高を括って移ってきたばかりらしい。

「ほんっとにごめんなさい！私、初心者コースに戻りますぅ！」

『あはは、私も同じようなものですよ。大丈夫です』

恭平「朝日南！！！」

彼女の背後から滑って来た高橋は大声で私の名前を呼ぶ。

ちょ、バレるって！

恭平「怪我は！？」

『今腕を怪我しそう』

高橋に強く掴まれた左腕を見る。

どこから出てくるんだろうな、こんな力。

恭平「…気ぃつけてください。コイツが怪我したらどうするんすか」

「ああああ、ごめんなさいいい」

『高橋。私も彼女も怪我してないし、何も支障はないよ』

恭平「けど…」

翔「え、何事何事？」

翔さんまで来てしまって、これ以上ことを荒らげても困るから、初心者コースへ移る彼女に手を振って見送る。

高橋はもう一度目で私の安否を確認した後、掴んでいた腕を話してくれた。

恭平「…また滑るかは任せるけど、とりあえず少し休み？」

『うん、そーだね』

✴