なにわ “生まれ” の “女子” やねん！【Ⅲ】 (ページ38)

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□ゼロページ38

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《交差点に立っているそこのキミ！》

ん？みっちー？

反響しているのか、いつもの声とは違うけど、見上げると大画面に映ったみっちーがいた。

…美島零だ。

「マルス見た？みっちー、やっぱ顔面が良いよね」

とニコニコで話すのは親友の悠希。

『また顔じゃん』

悠希「変な話、恋する警護24時見てたら織山尚大が可愛くて可愛くて」

『それは本当に “変な話” だわ。日本語云々とかじゃなくて』

悠希「使い方合ってない？」

『合ってないね』

なんやかんや私のメンバーのドラマも見てくれる悠希。

で、そこに出演してるイケメンを好きになるのも通常運転。

『…みっちーってさ、そのまま役に入っちゃうじゃん』

悠希「そーなの？」

『POP MALLの期間はめっちゃ拓だし、今はどう見てもゼロでしょ』

POP MALLより前のビジュアル見ても、雰囲気が全然拓じゃない。

メンバーっていう近い距離だから、尚更そう感じるのかもしれない。

「確かに」と同意した悠希は再びビジョンを見上げた。

『だから、今回の役は普段のみっちーと違いすぎて辛いんじゃないかなーって、少しだけ思う』

悠希「メンバーのこと、よく考えてるね。…不仲のくせに」

『後半必要あった？』

信号が青になって、再び足を動かす。

悠希が買って私が持たされている荷物を、人にぶつけないように抱えて歩いた。

悠希「ちなみにごめん。ソラ見てない」

『いや見て！』

悠希「あ、今イントネーションが関西弁」

『え、そうだった？やば…』

悠希「佐野晶哉の顔がタイプじゃない。」

『失礼だな。本人に言ってやろうか』

悠希「やめて。イケメンだなとは思うけど、どうしてもタイプじゃないの」

…佐野晶哉の顔が悠希のタイプかどうか、は私のドラマを見ないことに繋がらないのでは？

ちなみに買ったのは結婚式の色々。

私に付き合わせないで、旦那さんと行ってほしい。

悠希「あ、この間ゆうぴーがうちの美容室来たよ」

『…優斗って悠希のこと知ってるんだっけ』

悠希「 “例の悠希” ってことはバレないようにしながら昔の、サボり魔・Aの話した！」

『バレてるよ多分それ』

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