□からかうな ページ30
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大吾「なぁA」
たまたま一緒に楽屋に入って、数分。
スマホから目を離さないで話しかけてきた大吾くんを視界に入れる。
大吾「静かな楽屋に二人っきりやと、世界に二人だけって感じがせーへん？」
『……』
確かに、みんなはまだ来てないからふたりっきりだけど。
大吾「このまま誰も来なきゃええのにな」
『……… “高木さん” 』
大吾「…ちぇっ、」
舐めるでないぞ。
『ちなみに私、高木さんの完コピできる』
大吾「やって」
『いいよ。言っとくけど、ほんとに似てるからね』
特に意味もなく、雰囲気を出す感じで深呼吸をしてみせる。
『 “ねぇ、西片。…何してんの？” 』
大吾「え、すご！ ホンマに似てるやん！」
『でしょ？ …私は西畑のことばかり考えてるよ』
大吾「なっ…！」
『…思ってないよ。 “西片” と “西畑” って似てるなってだけだよ』
大吾「……わかってるわ、」
真っ赤になった大吾くんを見て笑う。
…我ながら結構似てると思うんだけどな。高木さん。
『 “あはは、赤くなった。” 』
大吾「もうええって…」
テンションが上がった私は、実際に高木さんと西片みたいな距離まで近づく。
ドアの方でした物音のおかげで、自分がやらかしたことに気づいた。
恭平「…何してるん？」
『あー…』
片や耳まで真っ赤で、片や普段ならありえない距離にいる。
勘違いされてもおかしくはないな、と少し冷静に考えてから大吾くんから離れた。
大吾「恭平、これは誤解やから！ なっ、A！」
恭平「……」
『…あは、』
ムスッとした顔で近寄ってきた高橋を見上げる。
恭平「バーカ」
『はい、すみませんでした。』
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作者名：悠希 | 作成日時：2023年12月27日 7時
