なにわ “生まれ” の “女子” やねん！【Ⅲ】 (ページ23)

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駿佑side

恭平「立てる？」

…こいつも頭打ったんとちゃう？

あの口から聞いたこともない台詞と一緒にAちゃんに手を貸すけど、首を振ってフラれた。

立てないんかと思ったら、単に手を借りるのが嫌なだけらしい。

『…あは、だいじょーぶだよ』

丈一郎「どこがやアホ」

大吾「流星、タオル取って」

丈くんは飲み物を持ってAちゃんの前に屈み、大吾くんは流星くんから投げられたタオルで彼女の汗を拭く。

和也「謙杜、流星。Aは大丈夫やで」

謙杜「いや…どこが？」

和也「どこがやろ？」

大橋くんも笑わせようとしながら２人のケアをしている。

…俺もなんかせな。

大吾「えっ！」

駿佑「どこに運べばええん？」

謙杜「うええええ！？」

Aちゃんを受け取って、抱き上げると、こんなときにもときめいてる大吾くん。

２度目やな、お姫様抱っこ。

丈一郎「けどみっちー、時間が…」

駿佑「メンバーのが大事やろ」

恭平「みっちー。俺が運ぶから、ドラマ行きや。主演やろ」

駿佑「…やけど、」

大吾「今死ぬわけやないんやし」

『か、てに、ころすな…』

俺の腕の中で呻くAちゃんを恭平に任せる。

今度は「たらいまわし、やめてぇ」と呟いたのが聞こえた。

駿佑「Aちゃん、ご飯はちゃんと食べなね」

『……へへ…』

前にも、お姫様抱っこしたことある俺だから分かるけど、５キロは落ちてると思う。軽すぎ。

もともと細いのに、何してんねん。

…助けるタイミング、遅かったな。もっと前に、あの日に、何気なく「調子悪いの？」とか聞けたらよかったのに。

不仲って厄介やな〜…

そんな彼女を心配しながら、後ろ髪を引かれる思いで部屋を出た。

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