なにわ “生まれ” の “女子” やねん！ (ページ9)

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大吾くんは立ち上がると心配そうに私を見ながら話した。

大吾「…なら俺先に行って、スタッフさんに伝えてくるな？撮影順も変えられるか聞いてくるから」

『ありがとう』

大吾「…気つけてよ」

『はーい』

最後まで眉毛が下がってたな。

…にしても痛い。

ヒール脱いで、片足で行ったほうがはやいかも。

一瞬ヒールに触れるが、ここはちゃんとしたホテルだし辞めておこうと思いとどまる。

和也「ちょちょちょ、どないしたん！」

『大丈夫、』

和也「俺より汗かいてんで！？」

なにそれ自虐ネタ？

『あー、冷や汗かな…』

和也「どしたん？」

さっきよりまぁまぁ進んだんじゃないか？

振り返って見ると、駄目だ、全然進んでなさそう。

大吾「A！！」

大吾くんはスタッフさんを連れて、すぐに戻って来てくれた。

額には汗をかいてるし、手にはペットボトルの水を持っている。

この後も撮影なんだから、なにもそんな走らなくてよかったのに。

スタッフ「朝日南さん、大丈夫ですか？」

和也「え、Aどうしたん？」

大吾「足挫いてん。はっすん、スタッフさんが呼んでたで」

和也「いや、A大丈夫なん？」

『呼ばれてるんだから行って』

和也「けど…」

不意に大吾くんの腕がまわってドキッとする。

…キュンとはしてないよ。

大吾「Aは俺が連れてくから」

『触んないでよ、』

大吾「さっきから、これしか進んでないのに？」

『…うん、ごめん』

しばらく私たち２人を見たあと、はっすんは答えた。

和也「分かった。頼むな」

大吾「はいよ〜」

スタッフさんにも「お願いします」と伝える

はっすんは時々振り返りながら歩く。

その度、大吾くんが笑って「はやく」とジェスチャーで急した。

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