飛べ、私のオモイ。 (ページ2)

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春。

これから始まる高校生活に向けて期待に胸を膨らませ私は校門をくぐった…

小説とかドラマでよくあるお決まりのフレーズだが、

実際の私の高校生活は最悪の形でスタートを切った。

お母さんだめよ、安静にしてなきゃ。
お母さん残念だけど入学式は休みなさい。

止まらない咳と締め付けられるように痛い頭を押さえ

ながら、私は母から来たLINEを見るなりショックの

あまりズルズルと床に倒れこんでしまった。

―だよね…。

母に言われなくても、入学式前日からこの体調の悪さ

はどう考えても明日回復するとは見込めないだろうと

分かっていた。

―こんなんだったら、母に連絡しないで行けばよかっ

た。入学式。

でも、無理矢理学校に行って更に体調が悪化したら良

くないし、何より人に伝染してしまうかも知れない。

―行きたかったな入学式…。何でこんな時に限って体

調崩しちゃうんだろう…私のバカ!!

自分の体調管理を恨んでベッドにもぐりこんだ私は、

気付くと深い眠りに入っていた…。

私の実家は兵庫にあるが、この度宮城県にある烏野高

校に入学することになった私は、父が自営業で医者を

していること、弟がまだ小学生であることを理由に1

人で宮城に暮らすことになった。

慣れない土地と連日の荷物整理で疲れたのか、入学式

前日に私は体調を崩してしまったのだ。

―翌日病院に行くと、インフルエンザであったことが

分かり、結局私は1週間程高校に行くことができなか

った。