＊19 ページ19
本当は連絡が一つもないことにムカついてたけど、こうやって謝れると怒れない。
｢ううん、お疲れ様。何か食べる？｣
｢うん、ピザでも食べよっか｣
｢ヌナ｣
私がイーシンと話していると、さっきリビングに行ったはずのセフン。
｢どうしたの？｣
｢ヌナ、どこに行くの？｣
セフンは悲しそうな顔をしている。
もしかして、私の部屋に行ったのか･･･
私の部屋は今すっからかんの状態。
誰が見ても変に思うはず。
｢ヌナ、辞めちゃうの？｣
｢A？｣
私がつい、押し黙っていると
きょとんとした様子でイーシンが聞く。
｢ごめん、辞めるよ｣
私がそういうと２人は黙ったまま私を見つめる。
しばらく沈黙が続いて、
｢ヌナ･･･どうして？俺たち何かした？｣
とセフンが涙目で聞いてくる。
そんな涙目で聞かれると、私まで泣きそうになる。
何とか、涙を堪えて答える。
｢ううん。皆は悪くないの。私もそろそろSMを離れて好きなことをしてみたくて。もちろん、今の仕事はとても楽しかったしいい経験だった｣
｢ヌナ･･･｣
｢じゃあここも出るの？｣
と、イーシン。
｢そうだね、明日の朝には出るよ｣
｢そんなに早いの･･･？｣
｢ヌナ、また会えるよね？｣
｢当たり前でしょ。死ぬわけじゃないんだから｣
セフンの問いに、思わず笑ってしまった。
｢ヌナ、俺応援してるから！絶対これからも連絡してね？｣
｢もちろん。また皆でご飯食べに行ったりしたいもん｣
セフンがあまりに必死で、どうしても笑ってしまう。
｢ただいまー！って、セフナ！なんで泣いてんの！？｣
｢え！泣いてんの！？｣
とチャニョルとベクが帰ってきたみたいだ。
｢まぁ、色々あってね。皆が帰ってきたら教えてあげる｣
私はそう言ってセフンを問い詰める２人をリビングに行かせる。
セフンはお風呂へ。
｢A、本当に辞めるの？｣
イーシンが私の手を握って言う。
｢･･･うん｣
｢家は･･･決まってる？｣
｢まだ。しばらくはホテル暮らしだよ｣
｢だったらまだ宿舎にいればいいのに･･･｣
｢いいの、これも楽しみだから｣
私がそう答えても、イーシンは納得してないようだけど。
｢A、寂しいんだけど｣
｢別に別れるわけじゃないんだから･･･いつでも会えるよ｣
イーシンまで悲しそうにするから、本気で泣きそうだ、私。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 178人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆら | 作成日時：2017年3月31日 1時
