【Q/K】伊沢さんには毒舌な妹がいた件について (ページ11)

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彼女の大声を初めて聞いたのは雨の日のことだった。

『お兄のわからずやっ！！』

「あーも！お前のことなんて知らねぇ！！」

おまけで伊沢の大声も聞こえたわけだけど。

がたっと、オフィスのドアが閉まる音と共にオフィスになんとも言い難い空気が流れる。

伊沢が死ぬほど気まずそうな顔をしていてなんか面白い。

「伊沢、他の人もいるから声は抑えてな？」

須貝さんナイスだわ。

「あー……すいません…」

「ん、それはそうと外出てっちゃったけど妹ちゃん大丈夫なわけ？」

「……多分大丈夫ですよ」

多分って…w

「ほんとに無理だったら俺に言いなよ？代わりに仕事するくらいならできるし」

須貝さんナイスガイだよなぁ。

「ほんとすみません…でも多分大丈夫…なんで」

「でも、外雨降ってるし、傘さしてないかもよ？」

「でも……」

須貝さんは伊沢の煮え切らない姿に堪忍袋の緒が切れたのか

「ここはお前がいなくてもなんとかなるの！妹さんは今1人なんだぞ？分かってんのか？」

それを聞くと伊沢は少し悩んだあと

「すいません須貝さん、お願いします」

と言ってオフィスを出ていった。

「まぁ、なんというか、一件落着？なのかな」

須貝さんナイスガイすぎるだろ。

「さすがナイスガイ」

「なんか恥ずかしいからやめて……」