1話 ページ2
音楽室に集められたのはアルトサックスパートのメンバー。
空気がピリピリしているのが分かる。
今からは定演で演奏する「宝島」のサックスソロの発表。
副顧問の中澤に視線が集まる。
中「サックスソロは...」
チラリと少し斜め後ろの位置にいるパーリーの先輩を見る。
最後の定演だから選ばれると思っているのだろう。
妙に堂々としている。
中「人鍔 雫！」
雫「はい！」
音楽室に中澤と私の声が響く。
パラパラとなる拍手。明らかに睨んできて機嫌の悪い先輩。
中「以上だ。今日はこれで終わりになる。下校しても構わない。解散！」
全「ありがとうございました！」
中澤が出ていきメンバーも動き出す。
私も出ていこうとすると、後ろから来た先輩が殴りかかろうとしてきた。
雫「おっと...。」
ヒラリと避けると
先「ﾁｯ。調子のってんじゃないよ！」
と叫んで走っていった。
雫「なんだ、あれ。」
練習している教室に向かって皆歩いていく。
教室と言っても３年生が占領して1、2年生は廊下に居るんだけど。
去年のパーリーの先輩は皆仲良くしようって感じで、廊下に出すことは無かったのに。
まぁあの人はどう頑張っても変わんないか。
そんなこと考えてたら教室前の廊下につく。
楽器を片付けて帰ろうと思いリードを外して水に浸ける。
分解してケースにしまい譜面台をたたむ。
その時。
パーリー「何なのアイツマジで！」
先輩1「ちっとも嬉しそうな顔しないし。」
先輩2「普通譲るよね！」
先輩3「本当に空気が読めないと言うかなんと言うか...」
パーリー「あぁもうウザいなぁ！」
ガンｯと机を蹴ったような音の後にガシャンと鈍い音がなる。
あの音は確実に楽器が落ちた音だな。
楽器はウン十万の世界なのに。
壊れたらどうするつもりなんだろう。
ぼんやりと考えながら片付けが終わり、使っていた椅子を教室に戻す為に教室の扉を開ける。
パーリー「ｯ!?」
雫「...お疲れ様でした。失礼します。」
あからさまに嫌な顔をしたが無視をして帰る。
サックスケースを背負い鞄を持ちさっさと学校から出ることにした。
続く (更新停止中)
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作者名：向日葵@sunflower | 作成日時：2020年11月26日 16時
