72…Ki ページ27
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「俺、ミツの気持ち知ってるよ。もう1つ言うと、Aの気持ちだって……。」
「なっ、たまちゃん……!?さっきからなに言ってんだよっ。」
「とにかくAのことはおミツに任せたから。Aってドジじゃん?だからよろしくね。」
「だからなんだよ、それ……意味わかんねーから。」
はぁぁ……。
急になんなんだよ。
だけどこれであいつが目を腫らしていた原因がやっとわかった。
あいつはたまとの別れが辛くて泣いてたんだなと思っていると、言い忘れたとたまが言う。
「俺の代わりにモデル仲間がここに来るから。その先輩、めちゃくちゃイケメンだから取られても知らないからね?」
「はっ?おいっ、だからなんなんだよさっきから。」
「ごちそうさまー。」
またもや意味のわからないことを言い残して、たまは仕事へ行ってしまった。
俺の気持ちを知ってるって言ってたよな。
イケメンモデルに取られても知らない?
そんな態度、一切出してねえのになんでたまは俺の気持ちに気づいたんだ……?
「Aちゃんとたまの間になにがあったかはわかんないけど、たまはみっちゃんの気持ちに気付いてたんだね。」
「俺の気持ち?」
「Aちゃんへの気持ち。みっちゃんさ、好きなんじゃない?」
なんでだよ。
なんでたまにも横尾さんにも知られてるんだよ。
「最近Aちゃんのこと、名前で呼ぶようになったよね。」
「え……。」
俺があいつのことを?
全く意識してなかった。
俺、無意識にあいつのことをAって呼んでたってことか?
「これからどうするかはみっちゃんの自由だけどさ、たまの気持ちを無駄にしないようにね。俺はみっちゃんの出した答えを応援するからさ。」
そう優しく言ってくれた横尾さんは、そのまま仕事へ向かってしまった。
どんなに俺が想ってたって、そもそもあいつは今もたまを想ってるわけだし……。
どうすりゃいんだよ。
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作者名:にかみつば | 作成日時:2021年6月23日 17時