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その日は久しぶりにみんなが揃ったこともあって、リビングの照明を絞って新作のホラー映画を観ていた。
ソファーに私と裕太くんが座って、その下のラグにミツと渉くんとマロ君。
言い出しっぺの渉くんはめちゃくちゃ怖がりで、うおーとか叫び声を上げながら観てるし、裕太くんもビビりながら私に引っ付いてくる。
ミツはホラーとかは得意みたいで、ビール片手に楽しんでる様子。
私はというとホラーは好きで、可愛げもなく普通に観れてしまう。
そんなバラバラな4人でホラーを堪能して、エンドロールが流れて和気藹々と感想を口にしだした時だった。
突然家のインターホンが鳴り響いたのは、午前0時を過ぎた頃。
映画以上に怖くて心臓が飛び跳ねたのは、私だけじゃないはず。
「えっえ、待って。こんな時間に誰!?わた見てきてよ!」
「無理だわっ。たま行けって。」
「ねえ、ミツっ!ここは絶対にミツの出番だって!」
言い合ってるうちにもう一度鳴るチャイムの音に、みんなが顔を見合わせる。
「俺だって怖えし、公平にジャンケンな。」
「えー。」
「おら、やるぞ。」
ミツの言葉でサイレントでジャンケンをして負けたのは、まさかの私で。
「なんで!?私っ、女の子!!」
「一緒にたまが行ってあげなよ。」
「無理無理無理っ。ここはミツで!」
「だからなんでだよっ!」
溜め息吐きながらも着いてきてくれて、一緒にモニターを覗いた。
あれ……
誰もいない?
「もしかして、帰ったか?」
「ええっ、でもなんか物音しない?玄関の方から。」
「は、マジ?」
私たちは顔を見合わせてから頷くと、無言でミツを盾にしながら玄関まで進んだ。
やっぱりなにか音がしている。
「仕方ねえから、出てみっか。」
「う、うん。ミツが開けて。」
玄関の照明を点けてから2人で靴を穿いて、ミツがゆっくり扉を開けた。
「………あのー、こんばんはぁ………」
「きゃあああっ!」
「うおおっ!やめろビビんだろっ!」
長い黒髪で色白の女の人が目の前に現れて、さっきまで観ていた幽霊そっくりで、思わず叫んでしまった。
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作者名:にかみつば | 作成日時:2021年6月23日 17時