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貴方「ありがとうございました〜！」
私はお帰りになるお客様に深く頭を下げた。
母「今日も賑わってるわね、あなた。」
父「そうだな〜！お客様の笑顔がたくさん見れて俺も幸せだよ。」
私の父と母はロンドンのとある街に住んでいて、小さなカフェを営んでいる。
お店は小さいけど、ここらへんでカフェを経営してるのはうちの店だけで、お店の可愛らしい雰囲気にも惹かれ、たくさんのお客さんが毎日来てくれている。
貴方「今日もたくさん来たね！」
母「ふふっ、そうね。」
父「さ、そろそろ閉店準備しないと。」
父の一言に、私は店のカーテンを閉めた。
母「…あらっ、コーヒー豆が切れてるわ…！」
父「まいったな…もう無くなったのか…」
貴方「じゃあ私、オックスフォードまで買いに行ってくるよ！」
私の提案に母は困惑の表情を見せた。
母「気持ちは嬉しいけど…一人で行ける？あそこはお店沢山あるし、人も多いから…」
貴方「もー！心配しすぎ！小さい子じゃないんだから…」
父「じゃあ、頼めるか？」
貴方「任せて！」
私は父が書いたメモ書きをポケットにしまい、店を出た。
少し歩くと、オックスフォードについた。街灯が少しつきはじめている。
貴方「いつ来ても賑わってるなぁ…」
夕方になっても人混みが絶えないここはロンドンの中でもかなり栄えてる場所だ。
街並みを見渡しながらも、父がいつも行っているコーヒー屋に着き、頼まれていた豆を買った。
貴方「よし…これとこれであってるね。」
買ったものをメモ帳を見て確認した。
街外れに出てもう少しで店に着きそうな時、
タタタタタ…
後ろから誰か走ってくる音がした。
振り返るとその人は「長身」の男の人で、かなり急いでいる様子で私の横を通り過ぎた。
男の人のポケットから何かが落ちたのがわかった。
貴方「…ん？」
拾ってみると、それは小さな時計。
貴方「あの…落としましたよ…って、もうあんなとこまで！」
その男の人は、長く続く道を左に曲がっていった。
貴方「まだ間にあうかな…」
私は男の人の背中を追いかけた。
曲がり角を曲がると、大きな広場に出た。
貴方「いない…」
辺りを何度も見渡すが、さっきの男の人はいなかった。
貴方「どこ行っちゃったんだろう…」
私は片手に握りしめている時計を見た。
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作者名：かりた | 作成日時：2017年8月6日 20時
