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おかえり ページ23

長い夢を見ていた様だった。




目を開けると、見覚えのある天井が見えた。
その横から、驚いた顔をしてこっちを見ている1人の女子生徒が視界に入る。

目が覚めたばかりで、視界が少しぼやけていたが、よく見ると硝子だということに気づく。





『しょ…こ…?』




全身が錘が乗っているみたいに重く、1人で体を起きる事が出来ず、硝子が背中を支えてくれてようやく起こす事が出来た。




「よかった…ほんとによかった…っ!」




硝子が泣きながら私の顔を見て言うけど、まだ状況を理解できていなかった私は、ただじっと硝子の顔を見ていた。





「あいつ…もう少しで戻ってくると思うから待ってて。」





私の返事を聞かず、硝子は走って医務室を出て行った。





『私…確か…』





頭に巻かれた包帯と、背中にある違和感を感じて何があったのかを思い出した。





そっか…私は確か悟との任務で…

呪霊に後ろから襲われたんだ。

でも、こうして生きているって事は、悟が助けてくれたのかな…?





頭の中で考えていると、医務室の扉がゆっくりと開いた。





そこには、少し懐かしく感じる彼の姿があった。





『…さと、る?』





私が名前を呼ぶと、悟は勢い良く私を抱き締めた。





懐かしくて、少し温かい温もりが全身を包む。





「…ごめん。」





『なんで…?』





「俺が…っ、あの時1人にしなかったら…こんな事になってなかった…」





悟の声は今まで聞いた事が無いくらい、声が震えていた。
きっと、任務の時に私を1人にした事を後悔しているのだろうか。

そして、気づくと硝子の姿は医務室に無かった。





『でも、助けてくれたんだよね?』





「え…?」





『私が襲われた後…呪霊も祓って、高専まで運んでくれたんだよね…?』





「そう…だけど…高専までは鈴木さんが運転してくれたし、その後は硝子が反転術式で治癒してくれたから…俺は何も…」





私は、悟の背中に両手を回した。





『悟が祓ってくれてなかったら、私もっと酷い怪我負ってたかもしれないもん。だから…ありがとう。』





そう言うと、私を抱き締めている悟の力が少し強くなった。
僅かに鼻を啜っている音が聞こえる。





「…貴方。」




耳元で聞こえる程の小さな声で名前を呼ばれた。





「…おかえり。」




『うん…ただいま。』





2人は存在を確かめ合うかのように、互いの温もりを感じながら抱き締め合っていた。

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- コメント失礼します!この作品ホントにすごいですね!投票120票。(すげー 自分も「自覚がない最強くん」で作品呪術廻戦出してるんすけど、その倍すごいです!応援してます!! (9月15日 23時) (レス) id: 655fd9a409 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 姫さん» コメありがとうございます!温かいお言葉本当に嬉しいです。励みになります。これからも応援よろしくお願いします! (8月18日 12時) (レス) id: 2ae7aefb01 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初コメ失礼します!いつも作品読ませてもらってます!読むたびに次の話が気になりすぎてます!これからも更新頑張ってください!応援してます! (8月18日 11時) (レス) @page12 id: 803f158600 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハク | 作成日時:2023年8月14日 20時

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