【五条悟は幼馴染 2】 (ページ3)

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貴方と悟が出会ってから数週間が経った。

悟は、家の者が見ていない間にこっそり屋敷を抜け出し、
貴方がいつも居る公園に足を運んでいた。

貴方も今日は悟が来ないかと待ちわびていて、
悟も公園に行ったら貴方にまた会えるんじゃないかと期待して、公園に向かっていた。

『え、だるまさんが転んだも知らないの？』

「知らねえ。」

2人は公園のベンチに座り、周りの風景や道行く人々を見ながら会話をしていた。

『だーるーまーさーんがー、転んだー！だよ？』

「…知らん。」

悟は、貴方と出会うまでずっと、屋敷の中だけで生活していた。

屋敷の中の人間としか関わりが無いから、友達すら居ない。
だから、同年代の子達が何をして遊んでいるのか知らなかった。

「…友達とか、いねえし。」

こんな事言ったら、貴方が返事に困るのはわかっていたけど、誰にも言えなかった悟の心の内にあった「寂しさ」が、ついポロッと漏れてしまった。

『でも、それは前の話でしょ？』

そう言って、いつものように明るい声で貴方は、悟の手を両手で握った。

『私と悟、もう友達でしょ？』

「友達…？」

『うん。』

初めて言われた言葉に少し戸惑ったけど、言葉にならない嬉しさが心を占めていた。

初めて、友達が出来たのだ。

「…まぁ、なってやってもいいけど。」

『何その言い方。むしろ感謝してほしいけど！』

素直に「ありがとう」と言えなくて、精一杯考えて出た返事は、強がりな言葉だったけど、貴方も悟の性格を少しずつ理解してきたのか、何も言わなかった。

『じゃ、今日は2人でも出来る事で遊ぼ！例えば…』

何して遊ぶか考えている貴方を見ていると、その奥で呪霊が飛んでいるのが見えた。

かなり小さいし、すぐに人に危害を加えるような呪霊でも無さそうだから、知らないふりをしようと思った。

けど、ここは公園。

屋敷の人間から、人が集う場所に呪いは溜まりやすいと聞いた事を思い出した。

今のうちに祓った方が後々、面倒くさくないだろう。

呪力を使い、一瞬で呪いを祓う。
そして、何事も無かったかのように、貴方に視線を戻した。

『何今の…』

「…は？」

『今！何かぼわってなった！』

「…見えたの？」

『え、うん。』

呪術は、非呪術師には見えないはず。
つまり、貴方は「こっち側」の人間だったんだ。