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悟は素っ気ない返事をした。
日向と目を合わせようとせず、そっぽを向く。





『ちょっと悟…』

「…んだよ。」





私と一瞬だけ目が合うけど、すぐ逸らされた。
すると、日向が何かを思い出した様に口を開いた。





「確か貴方の幼馴染で初…」
『わーーーーーっっ!!!!!』





5人は私の大声に驚いた顔をする。





『日向ー??そろそろ行こっかー。』
「え、でもまだクレープ…」
『うん。気が変わった。』





日向の腕を掴んで、その場から去ろうとすると
彩も慌ててついてくる。






悟達の姿が見えなくなった辺りで、足を止めた。






『日向!余計な事言わないで!』
「え、駄目だった?」





駄目も何も…





『…悟は私の事覚えてないから。』





「え…」
「日向デリカシーってもんがほんとにないよね。」
「うっ…さーせん…」





中学で悟は周りから一目置かれていた。





誰が見ても整った容姿。





悟の事を好きだった女の子は沢山居ただろう。





でも、どれだけ沢山の人に声をかけられても、
悟は一切人を寄せ付けなくて。





…ずっと、1人で居た。





校内で悟は有名人だったから、知らない人は殆ど居なかった。

日向も彩もその中の1人だ。





「五条君が誰かと居るの初めて見たね。」
「確かに。中学の時はこう…もっとツンツンしてたっつーか…」





2人が悟の話をしてるのを聞きながら、歩いていると、とある雑貨屋さんが目に止まる。





お店の前には、動物のキーホルダーが並べられていた。
犬や猫、ウサギなど色々な動物のキーホルダーが並べられている中で、1つのキーホルダーを見て、自然と手に取っていた。





『これ…』






手に取ったキーホルダーをレジに持っていき、お会計をした。
















翌日





実家から帰ってくると、悟が非番だという事を聞いた。






悟の部屋の前に着いた私はコンコンとノックをする。
少し間が開いて、ゆっくり扉が開いた。






『…なんでそんな仏頂面なの。』
「んなことねーよ。」





もしかして、連絡返さなかった事をまだ根にもっているのか。





『まぁいいや。はい、これ。』





小包みを出すと、悟は少し目を丸くした。





「なにこれ。」
『お土産。』






悟は受け取ると、黙ってその小包みを見つめる。






『…いらないなら、貰うけど。』
「誰もいらないなんて言ってねえだろ。」

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作者名:ハク | 作成日時:2023年9月15日 3時

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