. ページ15
「なんでだよ?人助けって超かっこいいじゃん。」
「だって...危ない仕事じゃん。毎日命をかけて呪いを祓うなんて、私だったら怖くて出来ない。」
今思えば、最初は私も呪いが見えた時は怖かったな。
友達にも家族にも見えなくて、自分にしか見えなくて。
自分にしか見えないから、呪いが見える私の事を、家族以外の人達は「怖い。」と言って離れていった。
「でも、日向の意見もわかる。沢山の人を助けてるの友達として誇らしく思うよ。」
「だろー!あ、でもさ、貴方が呪術師目指したきっかけってなに?」
『え?』
「だってさ、命がけの仕事なんだろ?いつ死ぬかわかんねぇのしさ。そこまでして呪術師やる理由って何だろうなって思って。」
『呪術師になれる力があったから?』
「それだけ?」
『それ以外に理由なんて…』
無いよ。と言おうとしたけど、何故か悟の顔が思い浮かんだ。
「…貴方?」
「聞こえてる?」
一瞬フリーズする私を、2人は不思議そうに見ている。
『あ、うん!それ以外に無いよ。無いです。』
「え!?そんな成り行きみたいな感じだったの!?」
『呪術師やってる人って大体そんなもんだよ、多分。何か理由があってやってる人は少ないよ。』
言えない。
さすがに初恋の人に会えるかもしれないっていう気持ちで、高専目指したとか、
とてもじゃないけど言えない。
「まあ、俺も力があったら、呪術師なってたかもなー。人助けできるし、かっこいいし!」
「えぇ!?軽っ...」
「貴方も言ってんじゃん。特別な理由があってやってる人なんてそんなに居ないんだろ。」
『あ、あーうん!そうそう!』
中学の進路を決める時、高専へ行くかどうか悩んでいたけど、
決定的な理由になったのは、校内の噂で悟が高専へ行く事を知ったから。
ずっと1人で居た悟を近くで支えたいと思ったんだ。
幼い頃、悟は私を守ると約束してくれた。
でも、私も悟を守れるくらい強くなりたい。
そう思ったら、私が行きたい道は1つしか無かった。
でも結局、一緒に任務に行っても悟だけでほとんど呪いを祓う事が多いから、
守られてばっかなんだけどね。
思い返すと、喧嘩ばかりしていた時から階級の高い呪霊は絶対私には祓わせてくれなかったな。
言葉はきついけど、それも悟なりの優しさだったのかな、とか思うと...
「わ!何あの人の集まり...」
726人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハク | 作成日時:2023年9月15日 3時