【五条悟は幼馴染 2】 (ページ12)

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帰省① ページ12

「え、実家に帰るの？」

『そう、たまには顔見せてほしいって電話があってさ。』

午前の授業を終え、2年の4人は寮にある食堂で寮母さんが作ってくれたご飯を食べていた。

貴方が実家に帰る事に1番に反応した硝子は少し寂しそうにしていた。

「実家って、養豚場？」

『今なん…あ。』

貴方が言い返そうしたが、悟に制裁を下したのは傑だった。

「いってぇ…」

傑にグーパンされた頭を両手で抑えながら、悶ている悟を見て、貴方は心の中で『ざまぁみろ。』と思っていた。

「貴方、悟の言った事は気にしなくていいからね。」

『うん、傑。ありがとう。』

先に食べ終えた貴方と硝子は食器を1つにまとめた。

『って言っても土日の2日間だけだから。すぐ戻ってくるけどね。』

「ここに居ると任務もあってなかなか帰省出来ないからね。ゆっくりしておいで。」

そう言って、傑は笑って貴方の頭を軽く撫でた。

貴方は傑にニコッと眩しい笑顔を向けた。
その様子を、悟は横目でチラッと見ていた。

『ありがと。あ、お土産何がいい？』

「んー、何でもいいよ。」

「酒は？」

「硝子、まだ未成年だろ。」

「今更っしょー。」

悟は、3人の会話を聞いてるだけで何も言わずに黙っていた。

「悟は？」

「…あ？別にいらねぇよ。」

「なんでキレてんの？」

「キレてねーよ。」

と言うものの、悟は明らかに不機嫌オーラを放っている。

そして、食べ終えた食器を1人で寮母さんに返し、先に食堂を出て行った。

『…怒ってた？』

「まあほっときゃいいでしょ。」

「貴方が気にする事は無いよ。帰省、楽しんでおいでね。」

『うんっ！』

翌日、実家へ帰省する貴方を3人は見送りをした。

「気をつけて。」

「いってら〜。」

『いってきまーす。』

「…」

傑と硝子は貴方に言葉をかけたけど、悟は何も言わなかった。

自転車に乗り、ある程度走った時。

最後に見た悟の顔を思い出した。

『見送りの時くらい何か言ってくれたらいいのに…』

しかも、昨日変に不機嫌だったし。

優しくなったと思ったら、変な所で不機嫌になって怒り出すし。

イマイチ、悟の事がよくわからない。

『…まあいっか。』

自転車に乗り、風に吹かれながら坂道を下っていった。