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1989年12月7日



五条家に新たな命が誕生した。

その寝顔は天使の様だった。
無防備で、周囲の人間に笑顔をもたらした。





周囲の人間は、数年後、彼が「最強」と言われる未来を、まだ誰も知らない。





5年後。





五条悟と名付けられた彼には、五条家相伝の術式「無下限術式」と、特異体質「六眼」を宿している事がわかった。





まだ幼い彼の存在を怖れた様々な勢力や呪詛師達が、悟を抹殺しようと試みるが、誰一人として、果たせたものは居ない。

その後、呪詛師の間で、億単位の賞金がかけられるも、彼と目が合っただけで震えてしまい、暗殺する事は出来なかった。





それほどの力を宿した悟に、母親は日頃から「最強の呪術師になりなさい。」と伝えていた。

最初は、ただ言うだけだったが、日に日に母親から悟への態度は強くなっていった。
悟も、最初は黙って聞いていたが、以前と違う母親の態度に嫌気を指しており、時折反発する事があった。

それに対し、母親は手を上げることも。




それを見て、何も言わない者、止めに入る者。





「悟様…お怪我は…」





「これくらい何ともねーよ。」





強がるものの、彼はまだ幼い。
本来なら、母親からの愛情を沢山受け、可愛がられる歳である。

親からの期待に応えたい思いもあったが、
内心、思っていた。





どうして、俺だけが。









「それくらい大した事無いでしょう。ほら、稽古の時間よ。」






母親は有無を言わさず、悟の手を引いて稽古場まで連れて行く。





自分の術式を自覚してから、食事、入浴、睡眠以外は
常に強くなる事だけを考えさせられた。





普通の子供なら、親から沢山甘やかしてもらって、
この先、学校に行って友達を作って、友達と遊んだり…
好きな人が出来たり。
そういった生活が待っているのだろう。





悟は、この時から自分の意思で外へ一歩も出れた事が無い。





屋敷の窓から外を見ると、親と手を引いて歩いている子。
友達と追いかけっこをしている同い年くらいの子。

ごく普通の風景なのに、悟にとっては羨ましかった。






外の世界には、一体何があるんだろう。

きっと、俺の知らない世界が沢山あって、目に映るもの全てが輝いて見えるんだろうな。











ある日の事。

悟は周りに人が居ない事を確認すると、部屋から飛び出し、家の敷地内を出て行ってしまう。




この日、悟は「彼女」と出会うことになる。

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設定タグ:五条悟 , 呪術廻戦 , さしす組
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作者名:ハク | 作成日時:2023年9月15日 3時

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