3 JK ページ3
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まさか急に話しかけられると思わなくて
一瞬頭が真っ白になったけどすぐに取り繕う。
いきなり座り込んだら心配されるに決まってる。
JK「…いえ大丈夫です。」
「そうですか。」
JK「はい」
うわ、何この淡白な会話。
逆に笑えてくるっていうか力が抜ける。
「もし具合が悪いなら言って下さい」
JK「言って…どうするんですか？」
「…………」
あ、今考えてるな、この人。
「…天井を開けて上まで登って助けを呼びます」
それ俺が一瞬考えたやつだ。
「一応気休め程度に薬ならありますし」
JK「……何の薬ですか？」
「頭痛薬と酔い止めですね。市販の。」
間違いなく今この場で必要ない気がする。
思わず、ふ、と隠れて笑う。
なんか、ちょっと安心する。
スタッフだから？
女の人なのに気楽に話せる。
それでも初対面だからベラベラ話せないけど。
JK「…………」
そしてまた沈黙がエレベーター内に満ちる。
携帯を見てみれば圏外だから繋がらないし。
…本当にこれ復旧すんの？
また溜息を漏らして俯くと
何となく視線を感じる。
この場には俺ともう1人しか居ないから
誰が見てるのかなんて丸わかりだけど。
「…………」
職業柄誰かに見られるのは慣れてるけど
こういう場で視線を感じると気分は良くない。
「あの」
JK「……何ですか」
「どうして溜息ついてるんですか」
JK「……この状況でそれ言いますか」
「だとしても私まで息苦しくなるので控えて貰えますか」
JK「…………」
この人、まじか。
少し気楽に話せるかなって思ったらこれだ。
謝るタイミングを逃して無言でいると
その人も壁伝いに座り込んだ。
レンズ越しに視線が絡んだ気がした。
「…すみません、私なんかと一緒で。」
JK「……え？」
「せめて美人な人か同性の人が良かったですよね」
JK「………」
「もし気分を害されたなら謝ります」
そんなこと、ないのに。
この人が謝る必要なんて全くない。
同性のスタッフの方が気楽なのは確かだけど、
でも、美人がどうこうとかは違う。
JK「…謝らないでください。別に気分害してないので」
「それなら良かったです」
JK「…………」
マスクと眼鏡で見えないけど
その人がホッとしたように笑ったのが、見えた。
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作成日時：2024年3月7日 21時
