キミが残してくれたモノ (ページ30)

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観ていたアニメが終わって時計を確認してみると、17時54分だった。

あっ。

あとちょっとで、パパが帰ってくる時間だ！！

待ち切れなくなってしまった私は、玄関の前で体育座わりをしながらパパを待つことにした。

ジーっと耳を済ませていると、外の廊下で足音が近づいてくる音が静かな室内に聞こえてきて、その足音は私のお家の前で止まった。

パパかもっ！

扉を開けたい気持ちを我慢して、鍵が差し込まれるのを息を潜めて静かに待った。

ガチャン──

あっ……

「パパっ！！」

「うわあっ！！びっくりしたー！」

入ってきたのはやっぱりパパで、嬉しくて勢いよく抱きつくとびっくりしながらも私を抱きとめてくれた。

「ただいま、Aちゃんっ。ここで待っててくれてたの？」

「おかえりっ、パパ！Aね、ちゃんとお約束守ってお留守番してたんだよ！」

「フフフっ。いいコだったね、Aちゃん。パパ、とーっても助かったよ。」

なかなか離れない私を抱っこしてくれて、そのままリビングへ連れてってくれた。

「今日はAちゃんがお利口さんだったから、特別にご飯の前にデザート食べちゃおっかー。」

「えっ、いいの？」

「いいよー。今日だけ特別だよ。」

パパが作ってくれたプリンアラモードは果物がたくさん乗っていて、甘くてとっても美味しかった。

その日はご飯を食べ終わってテレビを観ている時も、寝かしてくれる時もパパはずーっと、Aちゃん偉かったねって褒めてくれていた。

寂しかったけど、泣かなくてよかったと思った。