M4 (ページ9)

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目黒「なんか冷めた。ま、いーわ。また会おうねA。あ、これ番号」

そう言って私に紙を渡して
目黒先輩は出ていった

元太「…ごめん、邪魔した？」

「いや、助かりました。ありがとうございます…」

元太「なら良かった、ごめん、なんか」

「なんで謝るんですか」

元太「んー、なんとなく？ってかさ、敬語やめてよ。俺らタメでしょ？」

「そう…なんですけど」

元太「じゃほら、俺もAって呼ぶからAも元太って呼んで。これから2年間一緒にいるんだから仲良くなろーぜ」

元太くんは噂通りの人だった

新聞部が予想していたうちの1人なだけある
人望も厚くて、中等部ではサッカー部の部長

男の子にも女の子にも分け隔てなく接するその姿は
みんなから好かれていて

しかも先輩方とも仲がいい

最有力候補だって言われてたの、なんかわかる気がする

元太「Aってさ、何組なの」

「百合だよ」

元太「そっか、じゃそんな遠くないんだな」

「元太くんは？」

元太「俺は紫陽花」

「隣の隣なんだね」

元太「今度行ってもいーい？」

「別に、いいけど」

何しに来るのかな？

元太「スマホ、出してよ！グループ作ろ」

言われた通りに画面を開けば

数少ない友だちの欄に

元太

という文字が加えられた