前寮長はイカれたウサギでした３【ツイステ】 (ページ41)

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ユウside＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

昼休み。学園長からの頼みで、アズール先輩の”商売”を辞めるよう説得することになった自分は、現在、アズール先輩のことを知るためにジャックと共に探りを入れていた。

でもここまで観察してきてわかったことは、アズール先輩は非の打ち所がない優等生だということだけ。

「ふな”ぁあ～～～……早速アズールのヤツにこき使われてヘトヘトなんだゾ～」

「オクタヴィネル寮の掃除、ラウンジの給仕、購買に使いっ走りまでさせやがって」

「僕なんか、今日は朝６時に呼び出されたぞ」

頭にイソギンチャクを生やしたマブたちが疲れ切った顔をしてやってくる。

「フン。自業自得だ」

「早めになんとかしてあげたいな……」

そう呟いたその時、大きな影が近づいてきた。

「おや、どうなさったんです。暗い顔をして」

「あはは。ココ、イソギンチャクの群生地じゃん」

「ふぎゃっ！出たな、そっくり兄弟！」

いきなり現れた双子に驚いていると、物腰が柔らかい方の人が自分に話しかける。

「なにか、悩み事を抱えているようにお見受けしますが……」

「どっかの誰かさんたちにこき使われてちょ～困ってまーす」

エースがそう言えば、もう片方がエースたちに睨みを利かせる。

「あはっ、契約違反したイソギンチャクがなんか言ってる～。

お前らは文句言える身分じゃねぇんだよ。黙ってろ」

「ヒ、ヒェ……また絞められる～」

グリムはそう言ってサッと背後に隠れてきた。

「僕が話しかけているのはイソギンチャクたちではなく、貴方ですよ。

オンボロ寮の監督生・ユウさん」

そう言うとリーチ兄弟は、言葉巧みに自分の悩みを言い当ててしまう。

アズールならどんな悩みでも解決できる＿＿＿＿＿＿そう、それが例え……

『イソギンチャクたちを自由にしたい』という願いでさえも。

そんな話を無視することもできない自分は、すっかりリーチ兄弟のペースに嵌められていた。

その時、大きく白い耳をした素敵なウサギさんが現れ、自分を現実に引き戻してくれた。

『いけないよ。甘い言葉に惑わされちゃ』

そう言った”白ウサギ”は、また自分を正しい道へと引き戻す。