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一方その頃、大食堂ではリーチ兄弟が監督生に接触していた。
「おや、どうなさったんです。暗い顔をして」
「あはは。イソギンチャクの群生地じゃん」
リーチ兄弟の登場に、ユウと一緒にいたエースたちは身を震わせる。
「ふぎゃっ！出たな、そっくり兄弟！」
グリムはユウの足下で毛を逆立てて威嚇している。
「なにか、悩み事を抱えているようにお見受けしますが……」
「どっかの誰かさんたちにこき使われてちょ〜困ってまーす」
「あはっ、契約違反したイソギンチャクがなんか言ってる〜。
お前らは文句言える立場じゃねぇんだよ。黙ってろ」
フロイドが凄めば、エースたちは不服げな顔をしながらも黙ってしまう。
「僕が話しかけているのはイソギンチャクたちではなく、貴方ですよ。
オンボロ寮の監督生・ユウさん」
「はい！？」
ユウは突然ジェイドに名指しで呼ばれ、驚き一歩後ろに飛び下がる。
「なぁに、エビみたいにビクッと後ろに下がっちゃって。
エビ……ん〜、小さいから小エビちゃんかなー」
「こ、小エビ……？」
「ユウさんは先日、リドルさんたちと一緒にスパイごっこに勤しんでいたようなので、僕らのことはよくご存知かもしれませんが……
改めましてご挨拶を。
僕はジェイド・リーチ。
こっちは双子のフロイド」
「どーもぉ、フロイドでーす。よろしくねぇ、小エビちゃん」
物腰柔らかな顔で話しかけるジェイドに、人懐っこい雰囲気のあるフロイド。
真っ先に頭に浮かんだのは、最近知り合ったアビスとアゼルのことだった。
「あの……もしかして、アビスさんとアゼルさんって……」
「あぁ。あの子たちは、僕とフロイドの妹です」
「あんま似てねーっしょ？たまに恋人と勘違いされんだよね〜」
「いや、そっくりすぎて一瞬でわかりますよ……」
エースたちは小声でそう呟いた。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年8月24日 2時
