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涙を流すアビス。それを必死に慰めるアゼル。
２人のそんな健気な様子を見てしまえば、誰しも心が締め付けられてしまう。
悲劇の姉妹。その一言に尽きるだろう。
「事情は、わかってくれた？」
「……あぁ。辛かっただろう。
知ってしまったからには無視はできない。
僕にできることがあれば、なんでも言ってほしい」
「デュースくん……」
デュースはアゼルの手を自然に取り、今にも泣き出しそうなアゼルを安心させようと真剣な眼差しでジッと見つめる。
「アビスちゃんも、もう泣かなくても大丈夫だって。
オレらが絶対になんとかしてやるからさ。
だからもうちょい辛抱できそう？」
『エースさん……うんっ』
「へへ、良い子じゃん」
エースは泣き止んだアビスの頭を優しく撫で笑みを浮かべ安心させる。
「んじゃ、２人のためにもさっさとアズールの隠し持ってる契約書を探しますか！」
「そうだな」
『契約書、探してるの？』
目を擦りながら問いかけるアビス。
泣いていたせいなのか、目の周りは少し赤くなっている。
だが、泣いていたと思わせないほどの無邪気な笑みを浮かべ、アビスはエースの手を取った。
『契約書ならこっちだよっ。
案内したげるね〜♪』
「マジ？いいの！？助かるわ〜」
『えへへ、君だから教えてあげるんだよ』
「へ！？そ、それってどういう……うわっ！ちょ、待って！？」
アビスはエースの腕を引っ張りどんどん先へと行ってしまう。
「フフ、全くアビスったら……
皆さんは私が案内しますね。昨日のお詫び……といってはなんですけど」
「いや、それでも助かるよ」
「うふふ♪」
アゼルはデュースの隣に立ち、デュースの腕にそっと密着する。
「っ！？」
「離れないでくださいね？いつ誰に見つかるかわからないので」
「そ、そそそそうだっ…なっ！」
エースとデュースがアビスとアゼルに連れられて行くのを後ろから見ているユウとグリムとジャック。
「なにあいつら鼻の下伸ばしてんだ？
俺たちも行くぞ、ユウ。
……ユウ？」
ユウはアビスとアゼルをジッと見ながら不安そうな目を絶やすことはなく、ジャックはそれが少し引っかかった。
続く (更新停止中)
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年8月24日 2時
