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アゼルの口からとんでもない話しを聞かされ驚く一同。
アビスとアゼルの表情は真剣そのもので、とても嘘をついているような雰囲気には思えない。
「お前達もアズールと契約してたのか！？」
「で、でも、頭にイソギンチャクはないみたいだけど……」
ユウがアビスとアゼルの頭部を見上げるが、２人の頭にはイソギンチャクは生えていない。
「イソギンチャクは契約違反の印みたいなもの。
私たちは違反はしていないもの」
「な、なるほど……」
「一体、２人はどんな契約を？」
「実は……私とアビスは昔から、人間の世界に憧れていたの。
昔よりもずっと、人魚が陸に上がる機会は確かに増えたけど、人間になるための変身薬は高価なものだから、子どもの私たちには手が出せないし、かといって、ろくに学校に通っていなかったから自分達で作れるはずもない……。
でもそんな時、兄さんたちからアズールさんに相談するように言われて、念願の陸での生活を手に入れることができたの。
けど……」
その時、ずっと静かに黙っていたアビスの方に目線を向けると、アビスは音も無く涙を流しており、制服の裾をギュッと握りしめていた。
その涙を見た時、すでにエースたちの心は一瞬にして絆されていたと思う。
『人間の足を手に入れる代わりに、あたしたちはアズールさんの手下として従順にしなきゃいけなくなったの……
逆らえば、お兄ちゃんたちに何をされるか……うぅ…っ』
「よしよし……アビスは本当は、プランクトン一匹殺せない優しい子なんです。
貴方たちも、私たちの兄の凶暴性は知ってるでしょう？」
「まさか、身内にもってのか……！？」
その話を聞き、ジャックもアビスとアゼルを信じ始めていた。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年8月24日 2時
