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「アズールのヤツ、最初から邪魔するつもりで契約を持ちかけたってことか？」
「当たり前だろーが」
「リーチ兄弟はアズールくんの手下で、契約者から担保と代償をきっちり取り立てることで有名っス。
契約の達成条件をクリアできないよう邪魔をしてくるって噂もね。
……でも、姉妹の方がそれに加担してるって話は聞いたことがないっスね。
あの子たちはどっちかといえば、看板娘『モストロ・シスターズ』として接客してる姿しか知らないっスから」
ラギーがそう言うと、レオナが物言いたげに鼻で笑う。
「フン。女の人魚は陸の女に比べて執念深いからな。
それに、女は本性を隠すのが上手い。
加えてあのいけ好かねえアズールのお気に入りだ。
俺たちが叩いたところで、埃１つ出やしねぇだろうよ。
……だが、女同士のいざこざなら話は別だがな」
レオナはそう言いユウに目線を向ける。
すると、ユウは珊瑚の海で起きたことをレオナに話した。
「触れた人にそっくり化けれるユニーク魔法！？
はぁー……アズールくん、これまた有能な子を連れて来てたんスねぇ」
「とすると、もう片方も相応に優秀な魔法を使いやがるんだろう。
これは、お前達が思ってる以上に厄介なことかもしれねぇな」
口ではそう言うレオナだが、表情は明らかに楽しんでいる者の顔だった。
「ううっ……。ユウが負けたら、オレ様ずっとアズールにこき使われちまうのか？」
「オンボロ寮が取られちゃったらどうしよう……
私には、あそこしか居場所がないのに……」
自分の置かれている状況に絶望を感じ始めたのか、ユウもグリムも悔しそうに下をうつむきながら涙目になっている。
そんなユウを見て、レオナは何を思ったのか、途端に饒舌に話し始めた。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年8月24日 2時
