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「王子の、記念写真？」
アズールに提示された契約内容を聞き、首をかしげるジャックとユウ。
「博物館の入り口近くに飾ってあるもので、歴史的価値など一切ないただの写真パネルです。
拝借したところで、大事になったりしません」
「じゃあ、なんでそんなコトさせるんだゾ？」
「フッ、それなりに難題でないと勝負にならないでしょう？
あまり簡単な条件では、僕が損をするばかりですからね。
こちとら、慈善事業じゃないんですよ」
「……アトランティカ記念博物館は、珊瑚の海の国宝である”銀の髪すき”や……
重要文化財”人魚姫のコルクオープナー”などが２０個も収蔵されていることで有名な観光名所です。
海底で一粒の砂金を探すような話ではありません」
「そーいえば、オレたちもエレメンタリースクールの遠足で行ったっけ」
話が進もうとする中、ジャックが待ったをかける。
「ちょっと待てよ。『珊瑚の海』って国は国自体が海の底にあるはずだろ。
エラもヒレもない俺たちには滞在することすら難しい。
こっちの条件が難しすぎるんじゃねぇのか」
「そうだそうだ。オレ様、水の中じゃ息ができねぇんだゾ！」
「その難問を自分で乗り越えてこそでしょう……
と言いたいところですが、ご安心ください。
君たちには水の中で呼吸が可能になるこちらの魔法薬を差し上げます」
アズールはそう言うと、懐から貝の形をした瓶を取り出しジャックとユウの目の前に置いた。
中に入っている魔法薬が怪しく輝いている。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年8月24日 2時
