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仕事中のはずのグリムは、全身が食器用洗剤の泡まみれの状態でVIPルームに乗り混んできた。
「も、もうこんな生活嫌なんだゾ！
オレ様の毛は食洗機じゃねぇってんだ！」
「グリムくん。従業員が仕事をサボって立ち聞きとは感心しませんね。
フロイド、つまみ出しておしまいなさい」
「はぁ〜い」
フロイドがグリムを掴もうとしたところで、アズールが声をあげた。
「まあまあ、待ちなさい２人とも。
ユウさん、唯一の寮生であるグリムさんがこう仰っていますよ。
どうします？オンボロ寮を担保に僕と契約なさいますか？」
「うう、ユウ〜〜助けてくれぇ……」
情けない声をあげてフロイドに首根っこを掴まれているグリムを見て、ユウは心が揺れる。
「おい、ユウ。やめとけ！
どうせこっちが不利な条件での契約に決まってる」
「願いを叶えるための条件はなんですか……？」
「おい！」
ジャックの制止も聞かず、ユウはアズールにそう問いかける。
「この契約の達成条件は＿＿＿＿＿＿
『３日後の日没までに、珊瑚の海にあるアトランティカ記念博物館からとある写真を奪ってくること』！」
「俺たちに美術品を盗んでこいっていうのか！？」
「！」
その契約内容を聞き、扉の方に立っているジェイドが少し反応するが、アズールはそのまま話を続ける。
「いいえ、美術品ではありません。
奪ってきてほしいのは＿＿＿＿＿１０年前撮影された、リエーレ王子の来館記念写真です」
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年8月24日 2時
