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ジェイドに頭のイソギンチャクを引っ張られると、耐えがたい痛みが脳天に広がる。
「いでででで！！」
「イソギンチャクを引っ張るのはやめろ！」
「僕はアズールに新人指導を言いつけられていますから。
口答えする生意気な新人には躾をしなくては」
そう言いながらイソギンチャクを引っ張る手をやめる気のないジェイド。
その光景が見るに堪えなかったのか、ユウがジェイドの腕にしがみついて止めようと声をあげる。
「さすがにやりすぎです！やめてください！」
ジェイドはユウに掴まれた腕を冷ややかな眼差しで見ると、通常の営業スマイルに戻る。
「おや……困りますねぇ、お客様。
先ほども申し上げた通り、ラウンジでは僕たちのルールに従って頂きませんと」
「言うこと聞かない困ったちゃんは、オレたちが絞めていいことになってんだよねぇ〜」
「チッ……。新人いびりを見せられて気分が悪いって言ってんだよ」
「じゃあ、お前らがコイツらの代わりに店を手伝ってくれんの？」
フロイドがそう言うと、痛みが引いてる頭をさすりながらエースが生き生きとした顔で「それいい！」と声をあげる。
「今からユウとジャックが臨時で手伝いをするってことで」
「てめ、なに勝手に決めてんだ！」
「真面目に働いてくれるなら、僕らは誰でも構いませんが……」
ユウたちが渋っていると、エースとデュースが耳打ちをする。
「お前達だって、店から追い出されたら困るだろう？」
「マジでしんどいんだって。裏でグリムも体中泡だらけになって洗い物してるんだぜ？
頼むよー」
「チッ……しょうがねぇな。早めにカタをつけて、さっさと帰って寝たい」
「しょうがないね……」
それからユウとジャックはアズールが来るまで、店の手伝いをすることになってしまった。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年8月24日 2時
