モストロ・シスターズでぇす【ツイステ】 (ページ41)

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「お前達にしては珍しく手こずっているようですね」

図星を突かれるも、それを顔に出さないよう平静を装うアビスとアゼル。

『心配しないで、アズールさん』

「私たちが一度でも期待を裏切ったことがありますか？」

そう言えばアズールは苦言を呈することもできない。

「……そうでしたね。

お前達の働きにより、予想の倍以上もの生徒と契約できましたし」

アズールは横に山積みになっている黄金の契約書の束を眺めウットリとしている。

「オンボロ寮をラウンジの２号店にするという案自体は素晴らしいものです。

今後も、監督生さんとは”仲良く”お願いしますよ」

『は～い♪』

「もちろんです♪」

素直な返事にアズールは満足げな笑みを浮かべると、契約書の束を背後の巨大な金庫の中へと大切にしまう。

厳重に鍵をかけ安堵の表情を浮かべると、今度は苦り切った顔をしてデスクの上に置かれた写真を手に取った。

憎しみの籠もった目で写真をしばらく眺めると、その写真を裏返しにして戻してしまう。

『あ……』

「処分なら、私たちがしますよ……？」

「いえ……これは僕自身で処分しなければならないものなので。

さぁ、そろそろラウンジの開店時間ですよ。

テスト終わりなので、一層忙しくなりますね」

いつも通りの様子のアズールを見て、アビスとアゼルもいつも通りの態度で返事をする。

「なら、バカなオス共からたくさん巻き上げてこないとね♪」

『『モストロ・シスターズ』始動～

行ってくるねアズールさん♪』

「はい。頼りにしていますよ」

アビスとアゼルはVIPルームを出ると、ラウンジへと向かう。

一人になったアズールは、裏返しになった写真を手に取ると、魔法で跡形もなく燃やしてしまった。

灰になった写真だったものがゴミ箱に捨てられると、ようやく気が済んだのか書類仕事を始めた。