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アビスとアゼルがいなくなった後、ユウは何事もなかったかのようにエースたちに向き直る。
「私たちも買い物して寮に帰ろっか。
……エース？デュース？聞いてる？」
エースとデュースはしばらく放心したようにアビスとアゼルが去った後の扉を見つめていた。
それを見てユウは小さく頬を膨らませ、「おーい」と２人の目の前で手をヒラヒラさせる。
するとようやく気がついたようで、エースとデュースは揃って顔がにやけていた。
「うわぁ……めっちゃタイプだったわ、アビスちゃんって子」
「アゼル、さんか……良い人そうだったな」
エースとデュースは買い物が終わった後も、アビスとアゼルのことが頭から離れないのかずっとその話をしていた。
「付き合うなら断っ然、アビスちゃんっしょ！
ちょ〜可愛かったなぁ〜」
「アゼルさんの方が大人な女性って感じがして僕は好きだが……」
「デュースってあぁいう子が好きなんだ」
寮までの道のり、前を歩く２人がそんな話をしているのをただ見ていることしかできないユウ。
話の輪に入ろうとも、異性であるということだけで中々その話題には踏み込めないでいた。
その様子を察してか、エースがユウの方に振り返り話しかける。
「でもよかったじゃん。
ユウ、自分以外女子がいなくて心細かっただろうし」
「え？」
「そうだな。僕たちがいるとはいえ、やっぱり同性の友だちはいたほうがいいだろうし。
これを機に、あの人達と友だちになってみたらどうだ？」
親切で言ってくれている手前、断るわけにもいかずユウは「そうだね」としか返事ができない。
「じゃ、また明日な！」
「勉強はちゃんとするんだぞ」
エースとデュースはそう言うとハーツラビュル寮へと帰っていった。
「……ねぇ、グリムはあの人達のこと、どう思った？」
「んぇ？オレ様は別に何とも思わなかったんだゾ？
それよりオレ様腹減ったんだゾ〜……」
そう言って一足先にオンボロ寮へ帰ってしまうグリム。
「あ、待ってよグリム！」
眠る頃には、アビスとアゼルへの謎の恐怖心はすっかり忘れていた。
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イメ画 監督生
製作者(匿名希望):マル様
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年7月22日 15時
